海外移住でも、日本の公的年金に加入し続けた方が良い理由

スポンサーリンク

海外留学、海外現地で就職、海外移住、国際結婚などで一定期間、日本を離れると公的年金がどうなるか、知らないと損するかもしれない情報をまとめてみました。

この記事では、これから海外に出ようと思っている人、既に海外にいる人が、なぜ海外移住しても、わざわざ日本の国民年金に加入しておいた方が良いのか、勝手に父親目線で語りたいと思います。

特に、海外現地で就職する場合、自営業(フリーランス)として働く場合、学生さんの場合、関係が大いにあります。

結論

なぜ海外移住しても、日本の国民年金に加入しておいた方が良いのか、先に結論を述べます。

それは海外にいても任意加入したうえで、日本の国民年金保険料を納めればあなたが死亡したときや、病気やケガで障害が残ったときに、遺族年金や障害年金が支給されるからです。

国民年金に入っておくメリットは、老後に貰える老齢年金だけじゃないんです。

万が一の時は、大切な家族やあなたに遺族・障害年金が、元気に老後を迎えたら老齢年金という形で、居住国がどこであろうと年金を受取る権利を有します。

以下、受給要件(必要な加入期間など)や注意点などを、海外在住者の視点で説明したいと思います。

公的年金とは

まずは基礎的な情報を整理します、既にご存じの方は、国民年金の任意加入制度にお進みください。

公的年金と私的年金の違い

日本の公的年金は、国民年金(基礎年金)と厚生年金に分ける事ができます。

なお共済年金は2015年10月1日に「被用者年金一元化法」が施行され、厚生年金に統一されましたね。

私的年金は、国民年金の上乗せ給付制度にあたり、国民年金基金、確定拠出年金、確定給付企業年金、個人年金保険などを指します

被保険者第1号第2号第3号任意加入
3-2階部分私的年金私的年金
厚生年金
私的年金私的年金
1階部分国民年金国民年金国民年金国民年金
概要自営業、学生
フリーランスなど
第2・3号以外の人
会社員
公務員など
第2号被保険者
に扶養されている
の配偶者、パートなど
第2・3号以外の人で
一定の条件を満たす人
対象年齢20歳以上60歳未満原則65歳未満20歳以上60歳未満条件により異なる

この記事は、太字部分の「国民年金」・「任意加入」について主に解説しています。

被保険者は、第1‐3号だけでなく、任意加入被保険者というものがあります。


国民年金の加入義務、海外在住者は

国民年金の加入義務について、国民年金法を確認してみます。

(被保険者の資格)
第七条 次の各号のいずれかに該当する者は、国民年金の被保険者とする。

一 日本国内に住所を有する二十歳以上六十歳未満の者であつて次号及び第三号のいずれにも該当しないもの(厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)に基づく老齢を支給事由とする年金たる保険給付その他の老齢又は退職を支給事由とする給付であつて政令で定めるもの(以下「厚生年金保険法に基づく老齢給付等」という。)を受けることができる者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。以下「第一号被保険者」という。)

二 厚生年金保険の被保険者(以下「第二号被保険者」という。)

三 第二号被保険者の配偶者(日本国内に住所を有する者又は外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者として厚生労働省令で定める者に限る。)であつて主として第二号被保険者の収入により生計を維持するもの(第二号被保険者である者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。以下「被扶養配偶者」という。)のうち二十歳以上六十歳未満のもの(以下「第三号被保険者」という。)

引用元リンク:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=334AC0000000141#38

端的にいうと、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の人が、被保険者になります。

つまり、海外に住んでいる人は、被保険者にはなりません。

そして、保険料の納付義務があるのは、被保険者です。

(保険料の納付義務)
第八十八条 被保険者は、保険料を納付しなければならない。

引用元リンク:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=334AC0000000141#545


少しまわりくどいですが、要は日本国内に住んでいる20歳から60歳未満の人は国籍問わず、国民年金を支払う義務があります。

なので外国人の方でも、日本に住んでいたら年金を払う義務があります。後述する、社会保障協定が発効された国であれば、保険の二重払いを避ける規定があったりします。

年金未納の場合、どうなるか

義務である保険料の支払いですが、未納の場合、国民年金法第九十六条の第一項及び第四項により、まず督促され、なおも未納のままであれば、強制執行(財産差押え)になり得ます。

国税及び地方税に次ぐ、先取特権となっています。

(督促及び滞納処分)
第九十六条
保険料その他この法律の規定による徴収金を滞納する者があるときは、厚生労働大臣は、期限を指定して、これを督促することができる。

4 厚生労働大臣は、第一項の規定による督促を受けた者がその指定の期限までに保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しないときは、国税滞納処分の例によつてこれを処分し、又は滞納者の居住地若しくはその者の財産所在地の市町村に対して、その処分を請求することができる。

引用元リンク:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=334AC0000000141#545


実質、強制加入みたいなものだと思いますが、厚生労働省によると2018年度の、保険料納付率は68.1%との事です。

保険料の納付は過去2年間に遡って行えるので、2016年度の、最終納付率は74.6%となっています。

老齢基礎年金の支給資格

老齢基礎年金とは、老後もらえる年金の事で、国民年金といえば、まず誰もが思いつくものでは無いでしょうか。

受給資格期間は10年
老齢基礎年金を受給するには、最低10年間の加入期間が必要です。この10年間には、保険料を納めた期間や納付を免除された期間が合算されます。なお2017年8月1日以前は、最低25年間もありました。

満額の老齢基礎年金を受給するには

20歳から60歳までの40年間、保険料を納付すると満額の年金を受給できます。なので、一番短い資格期間は10年だけど、当然40年間納付した人とは、後々受給できる額が異なります。

受給開始年齢
原則65歳からです。

海外在住者でも、受給できます
上記の受給資格期間を満たせば、日本国外に住んでいる人でも、年金の受給が可能です。

国民年金の任意加入制度

国民年金の任意加入ですが、元々の制度趣旨は、未納などがあって受給資格期間が足りなかったり、受給できる金額が少なくなってしまう人を救済するものだと思われますが、海外に住む日本国籍の人であれば、任意加入制度の対象になります。

海外在住の日本人でも加入OK

義務ではありませんが、海外に住んでいる日本人でも、任意で日本の国民年金に加入できます。

任意加入をする条件
外国に居住する日本人で、20歳以上65歳未満の方も加入できます。

引用元リンク:https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20140627-03.html

イメージ的には、主に第1号被保険者の事を指します。

というのも、第2号被保険者や第3号被保険者は、海外に居住していても、厚生年金を通して既に国民年金の加入者だからです。

日本企業の海外現地子会社などに、派遣されて就労する場合が該当します。

第1号被保険者とは、自営業自由業(フリーランス)・農林漁業・学生・フリーター・無職などで、20歳以上60歳未満の方です。或いは第2号及び第3号被保険者以外の方です。

なので第1号被保険者という定義ではないけど、概ね第1号被保険者に分類される職業と、海外現地企業で働く日本人などは、海外に住んでいても国民年金に任意加入できます

任意加入方法は

残念ながら単に住民票を残して、第1号被保険者として、しれっと支払い続けてもダメです。

しっかりと第1号被保険者を脱退して、任意被保険者になる為の任意加入手続きする必要があります。

最悪というか恐らく、納付した金額がそのまま返金されるだけになるので、手続きをお忘れなく!


これから海外に行く人は市区町村窓口で、既に海外にいる人は最後に日本に住んでいた市区町村窓口か年金事務所で、任意加入手続きをする事ができます。

日本にいる親族等に、代理で任意加入手続きをしてもらう事も可能ですよ。

任意加入で、受けられるメリット①

海外在住時に任意加入したうえで保険料を納めれば老齢基礎年金に加えて、あなたが死亡したときや病気やけがで障害が残ったときに、遺族基礎年金障害基礎年金が支給されます。

老齢基礎年金・遺族基礎年金・障害基礎年金これらの保険を、個別に自前で買おうとすると、結構なお値段になると思います。ちょっと面倒でもありますね。

あと日本を出国すると、日本の生命保険に入れなくなります大体、日本の生命保険は、居住者向けなんですよね。まぁ、海外現地で生命保険に入れば解決なのですが。

老齢基礎年金

将来の年金(老齢基礎年金)に備えて、任意加入という面も当然ありますが、むしろ以下を享受できるメリットは、かなり大きいのではないかと個人的には思います。

老齢基礎年金については、上述してある箇所をご参照下さい。

障害基礎年金

  • 国民年金に加入
  • 一定の障害(障害等級表でいう1級・2級)
  • ざっくり公的年金の加入期間の2/3以上の期間、保険料を納付または免除されている
  • 年金額は1級・2級ともに年80万円前後+子の加算分

障害基礎年金は、基本的に保険料を納付していれば、最低10年とかいう縛りが無いのは良いです。

詳しくは、日本年金機構の公式サイトをご覧下さい。
障害基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法

遺族基礎年金

  • 国民年金に加入
  • 受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき
  • 死亡した者により生計を維持されていた、子のある配偶者と、が対象者
  • 子とは18歳到達年度の3末を超えないもの、20歳未満で障害等級1・2級のもの
  • 年金額は、子どもが18歳になるまで年間100万円程度。第2子以降がいる場合は加算。

遺族年金の25年縛りは正直厳しいです。仮に20歳から年金を支払って25年後は45歳。仮に30歳で子どもが産まれたとしたら、45歳の時点で子どもは15歳、45歳になった瞬間に無くなっても、子どもが18歳になる3年間しか遺族年金を受給できません。

詳しくは、日本年金機構の公式サイトをご覧下さい。
遺族基礎年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)

任意加入で、受けられるメリット②

また寡婦年金死亡一時金付加年金等の独自給付に関しても、任意加入被保険者は第1号被保険者とみなされ対象となります。

詳しくは、日本年金機構の公式サイトをご覧下さい。
第1号被保険者の独自給付について

寡婦年金

  • 国民年金に加入
  • 保険料を納めた期間(免除期間含む)が10年以上ある夫が死亡、10年以上継続した婚姻関係がある場合
  • 60-65歳になるまで支給

死亡一時金

  • 国民年金に加入
  • 保険料を納めた期間が36月以上ある人が、老齢基礎年金・障害基礎年金を受けないまま亡くなった場合
  • 遺族が、遺族基礎年金を受けている時は対象外
  • 寡婦年金を受けられる場合は、どちらか一方を選択

付加年金

  • 第1号被保険者、任意加入被保険者が対象
  • 追加保険料を納付する事で、老齢基礎年金に将来上乗せ

社会保障協定とは

今までは、国民年金(概ね第1号被保険者に分類される職業と、海外現地企業で働く日本人、自営業・フリーランス、学生さん向け)に関する説明でした。

企業派遣(日本企業の海外現地子会社などに、派遣されて就労する場合)で、社会保障協定を締結している国であれば、保険料の二重払いを防ぐ事ができ、また年金加入期間を合算可能です。

第2号被保険者の場合ですね。

2019年10月1日時点では、以下23か国と日本は社会保障協定を署名済み、内20か国は発行済みです。ヨーロッパ圏は太字にしています。

国名日付
ドイツ2000年2月1日発行
イギリス2001年2月1日発行
韓国2005年4月1日発行
アメリカ2005年10月1日発行
ベルギー2007年1月1日発行
フランス2007年6月1日発行
カナダ2008年3月1日発行
オーストラリア2009年1月1日発行
オランダ2009年3月1日発行
チェコ
チェコ改正議定書
2009年6月1日発行
2018年8月1日発行
スペイン2010年12月1日発行
アイルランド2010年12月1日発行
ブラジル2012年3月1日発行
スイス2012年3月1日発行
ハンガリー2014年1月1日発行
インド2016年10月1日発行
ルクセンブルク2017年8月1日発行
フィリピン2018年8月1日発行
スロバキア2019年8月1日発行
中国2019年9月1日発行
イタリア2009年2月署名済み未発行
スウェーデン2019年4月署名済み未発行
フィンランド2019年9月署名済み未発行


昔海外で働いていた人は、日本と合わせて二つ以上の国から年金をもらっている人もいるかと思いますが、2000年以降であれば、ケースとしては少なくなる傾向にありますね。



当然、保険料を海外と日本、二重で支払っていたので必ずしも、良いとこどりという訳ではありませんが、なんか外貨で年金をもらうって響きが良いですね。

海外各国との社会保障協定及び関係法令、注意事項等は、日本年金機構にリンク先があり確認可能です。
https://www.nenkin.go.jp/service/kaigaikyoju/shaho-kyotei/kyotei-gaiyou/20141125.html


あまり年金に固執して、打算的にどの国で働くか考えても意味が無いと思いますが、どういった国と日本が、社会保障協定を結んでいるか頭に入れておくと、良いかもしれません。

まとめ

以上、海外にいても任意加入したうえで、日本の国民年金保険料を納めればあなたが死亡したときや、病気やケガで障害が残ったときに、遺族年金や障害年金が支給される元気に老後を迎えたら老齢年金という形で、居住国がどこであろうと年金を受取る権利を有する、いう話でした。


日本企業の海外現地子会社などに、派遣されて就労する場合、社会保障協定がある国であれば、基本的に第2号被保険者(厚生年金)となるので、あまり心配というか、個人的に何か手続きを取る必要は、基本的に無いかと思います。

一方で、海外現地企業で働く場合、自営業(フリーランス)の場合、学生さんなどの場合は、誰も何も言わないかもしれませんが、自ら然るべき手続きを済ませておく必要がありますので、お気を付けください。


銀行では無い点に留意する必要がありますが、海外居住国によっては、トランスファーワイズのボーダレス口座が保有できます。特に外貨の収入がある個人事業主・フリーランス・アフィリエイター等の人にとって、ボーダレス口座はかなりおすすめです。

トランスファーワイズ自体のアカウントは、日本国内の居住者でも開設できるので、日本を出国前に(マイナンバー情報を提出など)諸々手続きを済ませておくと、便利だと思います。

将来、日本の年金制度がどうなっているか、加えて自分が何歳まで生きるかなんて、全く分からないので、そこまで深く考えても意味がないんですけどね。

特に海外在住者なら、為替次第で手元に入る額が変わってくるけど、今から数十年後の為替を心配しても、意味が無いですよね。

通貨ユーロが果たして、このままずっと続くかも分かりませんし…

主に海外と関係のある部分を、ざっくり説明しましたが、免除規定とか例外規定とかがあったりするので、具体的な疑問があれば、まずは(日本を立つ最後に)お住まいの市区町村窓口にお問合せ下さい。


何が正解かは、人それぞれなので、一つの判断材料となれば幸いです。




※本文は以上です。

もし記事を気に入っていただけたら、是非、SNS等でシェアいただけたらと思います!

コメント

テキストのコピーはできません。
タイトルとURLをコピーしました