海外移住、住民票はどうすべきか。海外転出のメリット•デメリット

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海外留学、海外勤務、海外現地で就職、海外移住、国際結婚などで一定期間(本記事では1年以上と仮定します)、日本を離れる時、住民票をどうするか悩まれるかと思います。

なぜならば住民票は、海外に住む場合、そのまま残しておくことも、海外転出することも、どちらもあなた自身で選択できるからです。

海外移住には、様々な手続きがありますが、この記事では日本の住民票の取扱いについて、メリット・デメリットをまとめてみました。

結論。住民票は海外転出した方がメリットあり

ずばり住民票は、海外転出した方がメリットありと言えます。

要点だけまとめます。

  • 住民票は海外転出する
  • 国民年金は(第1号被保険者から)任意加入被保険者への変更をする
  • 国民健康保険は脱退になるので、海外現地で有効なプランを、自分で探して契約する
    (国民健康保険の海外療養費制度は、あくまで日本居住者が短期渡航した場合のみ)


なぜわたしが、上記のように考えるのか、以下でそれぞれ補足説明しています。

住民票とは、住所・居住者の定義

まず、住民票と住所・居住者について確認しておきます。

住民基本台帳

住民票とは「住民基本台帳」の事を指します、総務省の公式サイトには、以下の通り記載があります。

重要そうな箇所を、黄色マーカー表記しました。

住民基本台帳は、氏名、生年月日、性別、住所などが記載された住民票を編成したもので、住民の方々に関する事務処理の基礎となるものです。
 住民基本台帳の閲覧や住民票の写しの交付などにより、住民の方々の居住関係を公証するとともに、以下に掲げる事務処理のために利用されています。

・選挙人名簿への登録
国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険、国民年金の被保険者の資格の確認
・児童手当の受給資格の確認
・学齢簿の作成
・生活保護及び予防接種に関する事務
印鑑登録に関する事務

引用元リンク:https://www.soumu.go.jp/menu_kyotsuu/important/topics081127.html


昭和42年7月25日法律第81号による住民基本台帳法により、住所の転入・転居・転出時の届出(第22-24条)は義務とされています。

また同法の第51-52条では、虚偽の届出、正当な理由なく届出の義務を怠った場合の罰則規定があります。

住所・居住者の定義

住所・居住者の定義が、これまた色々とあります。先に住所をみてみます。

住民基法台帳法第4条
「住民の住所に関する法令の規定は、地方自治法 (昭和22年法律第67号)第10条第1項 に規定する住民の住所と異なる意義の住所を定めるものと解釈してはならない。」。

自治法第10条第1項
「市町村の区域内に住所を有する者は、当該市町村及びこれを包括する都道府県の住民とする。」

民法第22条
「各人の生活の本拠をその者の住所とする。」

まとめると「住所」は、「個人の生活の本拠」をいい、「生活の本拠」かどうかは「客観的事実によって判定する」ことになります。


続いて国内法による、居住者の定義です。

所得税法第2条第1項第3号
居住者
「国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて一年以上居所を有する個人をいう。」

所得税法上第2条第1項第5号
非居住者
「居住者以外の個人をいう。」

国によっては、「183日ルール」と呼ばれるものがあり、183日以上滞在すれば居住者とされる場合がありますが、日本の法律は異なるアプローチです。

厳密には租税条約により、日本と海外の国、双方で居住者に該当するケースもありますが、本記事での深堀は割愛いたします。

海外転出のメリット

住民税を払う必要がなくなる

住民税(都道府県民税と市町村民税)ですが、その年の1月1日時点で居住している市町村(住民票の住所)で、前年の所得に応じて課税されます。

1月2日に海外転出した場合、その年の住民税は丸一年分支払う必要があります。
なので12末に海外転出するのが、一番住民税の無駄が少なくすみます。



現実には、住民税よりもっと重要な理由で、渡航時期は決まると思いますが。

注意点としては、前年度の所得で判断されるので、海外転出した翌年までは、海外にいても、住民税を支払い続ける必要があります。

国民年金の加入が、義務から任意に

日本企業の海外現地子会社などに、派遣されて就労する場合は、引続き第2号被保険者であることから、あまり気にする必要は無いかと思います。

あなたが第1号被保険者(自営業自由業・フリーランス・農林漁業・学生・フリーター・無職など)の場合、或いは海外現地企業に就職する場合海外に移住しても国民年金に任意加入できます。

国民年金に任意加入した場合のメリット、注意点を以下の投稿記事でまとめています。

単に住民票を残して、第1号被保険者として、しれっと支払い続けてもダメです。

しっかりと第1号被保険者を脱退して、任意被保険者になる為の任意加入手続きする必要があります。

在留証明書の取得ができる

以下、在英国日本国大使館のサイト抜粋です。

在留証明
在留証明は、日本の提出先機関から外国における住所証明の提出が求められている場合に発給される一種の行政証明です。

申請人(日本国籍を有するものに限る)の英国における住所を日本語で証明します。

日本における遺産相続、不動産登記、年金受給、銀行借入、入学試験受験手続等の際に必要とされます。

引用元リンク:https://www.uk.emb-japan.go.jp/itpr_ja/index_000038.html


当然ですが、住民票を海外転出すると、以後住民票を取得できません。

でも心配ご無用です。前述の通り、住所の証明をしなくてはいけない場合、在外公館(海外にある日本国大使館)に行けば、「在留証明書」を入手可能です。

注意点として、「在留証明書」の発給条件に、日本の住民票がない事があります。以下は、在英国日本国大使館のサイト抜粋です。

在留証明の発給には、

日本に住民票がないこと
・在留届が提出されていること
・申請人本人が来館して申請すること


が条件となります。

引用元リンク:https://www.uk.emb-japan.go.jp/itpr_ja/index_000038.html

一方、例えば在ドイツ日本国大使館では、在留証明の発給条件に、日本の住民票がないことを条件にしていないようです(少なくともサイト上では)。

大使館によって手続きが異なるとも思えないですが、海外渡航前に個別確認した方が良さそうです。


仮に、日本に住民票を残していて、在留証明書が取得できない場合、日本の住民票を取得できてしまうと思いますが、それって本来あなたが住んでいない住所なので、証明書としてどうかなという気がします。

海外転出のデメリット

国民健康保険に加入できない

国民年金は任意で継続加入できますが、国民健康保険は住民票を海外転出すると継続加入できません。

なお国民健康保険は、会社員の方が入る健康保険とは別です。

国民健康保険料を支払う必要はなくなりますが、例えば日本に一時帰国中、病院にかかったら、今までの3割から全額負担になります。

わたしは現在ドイツに、その前はイギリスに住んでいましたが、いずれの国も医療水準は比較的高い方だったので、特段現地での医療に不満はありませんでした。


しかし移住先の医療水準次第では、例えば健康診断や手術は、海外現地ではなく日本に一時帰国して、受けるのを好む方もいるようです。



国民健康保険加入者が、海外に短期渡航した際海外療養費支給制度というのがあり、住民票を日本に残し国民健康保険に加入し続ける事で、この海外療養費支給制度を使おうという目論見を持たれている方もいるようです。

わたしは海外現地で保険を手当てしているので、試したことがありませんが、果たして海外移住者が、海外療養費支給制度を使えるのか…普通に考えたら、無理でしょう


仮にも海外移住者が、海外療養費支給制度を使えたとして、申請手続きは住民票がある市区町村ですよ。全く持って現実的ではないです。

会社員の方など健康保険(国民健康保険とは違う)や厚生年金保険に継続加入していれば、海外でかかった医療費は、一旦個人で全額負担した後、加入している健康保険組合等に請求できます。

マイナンバーカードを返す必要あり

あまりデメリットではないのですが、海外転出する際は、マイナンバーカードを返却する必要があるようです。

ただし、一度付与された番号自体は固有なものなので、日本に戻り再びマイナンバーカードを取得しても、番号は変わりません。

非居住者になると、日本国内にある銀行で口座開設ができなくなるので、日本を出国前に口座を開設し、マイナンバーの届出しておくと、海外送金時に手続きがスムーズにいくと思います。

海外送金としてトランスファーワイズは有名ですが、海外居住国によってはボーダレス口座を保有できますよ!

特に外貨の収入がある個人事業主・フリーランス・アフィリエイター等の人にとって、ボーダレス口座はかなりおすすめです。

実印や印鑑証明書などが使えなくなる

土地や不動産の売買など登記や本人確認等で、「実印」・「印鑑証明書」が必要になる時は、少しややこしくなるかもしれません。

「実印」の登録や、「印鑑証明書」の発行は住民登録がなされた市区町村で対応可能なので、海外転出してしまうと取得できないからです。

しかし、「実印」及び「印鑑証明書」の代替となる、「署名証明書」は「在留証明書」同様に、在外公館(海外にある日本国大使館)に行き、手続きをすれば入手可能です。

なので、実質ノーダメージです。

まとめ

冒頭のまとめを、再度掲載いたします。上記で挙げた、住民票を海外転出した場合のデメリットって、実質ノーダメージなんですよね。

住居・居住者の定義と合わせてご確認いただけたらと思います。

  • 住民票は海外転出する
  • 国民年金は(第1号被保険者から)任意加入被保険者への変更をする
  • 国民健康保険は脱退になるので、海外現地で有効なプランを、自分で探して契約する
    (国民健康保険の海外療養費制度は、あくまで日本居住者が短期渡航した場合のみ)


「老齢基礎年金と老齢厚生年金」は、ぱっと見ややこしいですが、「国民健康保険と健康保険」も似ていますが全くの別物です。制度を混同して、勘違いしないよう気を付けましょう!


雇用形態や海外移住期間によって人それぞれかと思いますが、ご参考になれば幸いです。






※本文は以上です。

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