実用的だけど嗜好品、ドイツ製文房具ブランド。お土産にもおすすめ!

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質に拘らなければ、使い捨てや安価な商品が無数にある文房具。

そもそもスマートフォンやパソコンにより、字を書く事が減る一方かと思いますが、小さな筆記用具に凝縮されたドイツの歴史や職人の技巧は、使う者の心を豊かにしてくれます。

本記事ではドイツ在住者である筆者が、ドイツ製の文房具ブランドを紹介したいと思います!

万年筆・ボールペン・シャープペン

筆やペン類から紹介していきます。


Pelikan(ペリカン)1838年

Pelikan(ペリカン)は1838年、ドイツ北部のハノーファー(Hanover)で化学者Carl Hornemann氏により創業された工房が起源で、世界一歴史が古い筆記具メーカーの一つと言われています。

ご存じの通り、幅広い種類の万年筆やボールペンをはじめ筆記具・事務用品全般を手掛けていますが、創業当時はインクが主力製品でした。


ペリカンのロゴは、1871年Hornermann氏より会社を譲り受けた、Günther Wagner氏の家紋が由来です。

緑色をした縞模様スーベレーン(Souverän)は、 世界で一番有名な万年筆かもしれません。



2019年度の同社アニュアルレポートによると、世界展開しているものの、売上の約55%がドイツ国内である事から、目の厳しいドイツ人が主要顧客である事が分かります。

紆余曲折あり、現在の上位株主1位はマレーシアのUrusharta Jamaah Sdn. Bhd.で、約26%の株式を保有しています。

Urusharta Jamaah Sdn. Bhd.は、マレーシア財務省が保有する特定目的会社(SPV)です。

To date, MOF (Inc.) holds direct majority shareholding in 70 companies as below:

MOF (Inc.) Majority Shareholding Companies
MAJORITI – SPECIAL PURPOSE VEHICLE (SPV)

70. Urusharta Jamaah Sdn Bhd

引用元リンク:https://www.treasury.gov.my/index.php/en/contactus/faqs/gic.html


なお上位株主3位のマレーシア人起業家Loo Hooi Keat氏は、PelikanのCEOです。

同社アニュアルレポートは、マレーシア・リンギット(MYR)建てですね。

Kaweco(カヴェコ)1883年

Kaweco(カヴェコ)は1833年に、ドイツ南西部のハイデルベルク(Heidelberg)で創業した、筆記具メーカーです。

現在は、ニュルンベルク(Nuremberg)に拠点を構えています。

Kaweco – The Story (en)

元々はHeidelberger Federhalterfabrik(ハイデルベルク・ディップ・ペン工場という意味)という名前でした。

1889年からHeinrich Koch氏とRudolph Weber氏の名前から、Kawecoと新たに名付けられました。

1911年ベルリン、パリ、チューリッヒ、ウィーンなどの支店を通じて事業を拡大。ポケットに収まる万年筆として、女性や役人、スポーツ選手に向けて大々的に宣伝されました。



1921年に株式を公開、時代の流れについていけず1929年に倒産。その後、KWGが事業を受け継ぐも1980年前後に生産を終了し、一旦幕を閉じました。

1994年ペンをはじめとする工業用部品を提供するH&M Gutberlet GmbH(ニュルンベルクにて1960年創業)により、Kaweco商標権が買収された事でブランドが復活、2018年時点で世界40か国以上で販売されるまでになっています。

Kawecoを代表するClassic Sport(クラシックスポーツ)はコンパクトな大きさから軍服のポケットにぴったりと収まり、世界大戦時には多くの軍関係者に愛用されていたと言われています。

1972年のミュンヘンオリンピックの際に、公式ペンとなった商品の復刻版です。

オリジナルのネイビー色は、17世紀イギリス海軍の制服からサンプルしたと言われています。Classic sportといえば、このネイビー色です。


胸ポケットに収まる、正方形のチョコレートと言えば、独リッター・シュポルト(Ritter Sport)。


またKawecoは、コラボレーション企画も多い印象です。

Waldmann(ヴァルトマン)1918年

Waldmann(ヴァルトマン)は1918年、ドイツ南西部のフォルツハイム(Pforzheim)で創業した筆記具メーカーです。

フォルツハイムは黒い森(Schwarzwald)に位置し、宝飾産業で栄えている地域です。その為か、Waldmannの製品は全般的にデザインがエレガントな気がします。


Waldmannの全てのペン製品は、以下の基準を満たしています。

  • 925スターリングシルバーを使用
  • 10年保障(他のドイツブランドは1-3年程度が一般的)
  • ドイツ国内で製造


1937年パリ世界展で4色機械式ペンが銀メダルを受賞、1958年にツイスト式2色ボールペンを世界で初めて発売、1972年2-in-1特許を取得(万年筆とボールペンが1つに)など宝飾面だけでなく、数々の革新的な商品を世に送り出しています。


PGAツアー大会であるバイロン・ネルソン選手権では、タイガー・ウッズ(Tiger Woods)をはじめ歴代の優勝者にはWaldmannのペンが与えられていました。

またスティーブン・スピルバーグ監督、レオナルド・ディ・カプリオやトム・ハンクスが出演していた2002年公開の映画「Catch Me If You Can」では、Waldmannのエポック2色ボールペンが使われた事で、再び注目を浴びていました。

Catch Me If You Can




現在、Waldmannは世界60か国以上で展開しています。

Diplomat(ディプロマット)1922年

Diplomat(ディプロマット)は1922年、ドイツ南西部のシュトゥットガルト(Stuttgart)で創業した、筆記具メーカーです。

シュトゥットガルトと言えば、メルセデス・ベンツの本拠地です。


ドイツ国内で現在もハンドメイド、完成品の検査も機械では無く人間が対応。同社の万年筆のペン先(ニブ)は、ステンレス製でカスタムメイドです。

1950年代にドイツ国内で初めてボールペンを取扱いを、また1958年にドイツ国内で初めてカートリッジ式の万年筆を取扱い開始したと言われています。


現在のラインアップは、3シリーズあり。

  • Diplomat
  • Magnum by Dimplomat
  • Spacetec by Diplomat


一番最後のSpacetec by Diplomatは、無重力や水中、摂氏マイナス45度から204度程度(華氏マイナス50度から400度)など極端な気温でも使用できる、特殊なペンを扱うシリーズです。



わたしが生きている間に、気軽に宇宙旅行は行けなそうですが、あらゆる環境下でも、ただ単純に書く機能を有している、というのは実はすごい事ですよね。


2016年からは、フランス人起業家であるMathias Ringeardが、Diplomatのオーナー兼CEOとなっています。

Rotring(ロットリング)1928年

Rotring(ロットリング)は1928年創業、ドイツ北部のハンブルク(Hamburg)に本社を置く筆記具メーカーです。

バウハウス(Bauhaus)のミニマリズム、シンプリシティなデザインに触発されて誕生したブランドです。

精巧なペン先の評価が高く、製図用の万年筆やペンとして有名です。

ブランドカラーである黒×赤のシャープペンは、見たことがある人も多いのではないでしょうか。



海外だと万年筆やボールペンを使う人が多いのですが、日本人だとやはりシャープペンがしっくりきます。また細身のデザインも素敵です。


Rotringは、ペン先の無い(ニブレス)万年筆や、4色ペンを発明。1961年ブランドシンボルと言える、赤い輪を意味する”roter Ring”が登場、1979年メカニカルペンシルを発売しています。

メカニカルペンシルは、精密性が求められる設計士やデザイナーから高い評価を受けています。

2015年には、日本で行われた”Tokyo Design Week”イベントに出店していたようです。

rOtring exhibited | Tokyo Design Week 2015

Lamy(ラミー)1930年

Lamy(ラミー)は1930年にC. Josef Lamy氏が、Orthos Füllfederhalter-Fabrikを設立したのが始まりです。ドイツ南西部ハイデルベルク(Heidelberg)に拠点を置く筆記具メーカーです。

製品に使う素材やパーツ、金型などは自社生産で、その内製率は95%を誇ります。また筆記具生産の3/4が手作業で行われています。

デザイン賞の受賞歴が100を超え、豊富なモデルが同社の魅力の一つと言えます。


LAMYのABCは、子ども向けです。ドイツの学校(日本の小学校低学年)では、万年筆の使い方を習います。この素朴な感じが、温かみがあってなんとも可愛らしいです。

子どもではなくて大人がLAMYのABCを、ドイツ人の前で使うと和やかな笑いに包まれます。

商談やプレゼンテーションなど、ドイツ人相手にする際には話題作りの鉄板アイテムでもあります。
でも一周まわって、お洒落ですよね。


ブランドを代表する作品としては、1966年に発売開始されたLamy 2000があります。

34年後の西暦2000年に残り、未来に通じるデザインというコンセプトで生まれ、現にロングセラーモデルとなっています。

Lamy 50 Years – Signature Products since 1966

確かに見た目は古臭さが無く、現在社会に溶け込むデザインです。

Peter Bock(ピーター・ボック)1939年

Peter Bock(ピーター・ボック)は、1939年にドイツ南西部ハイデルベルク(Heidelberg)で創業した、ニブ(Nib)と呼ばれる万年筆のペン先を作るメーカーです。

全ての製品では無いと思いますが、PelikanやKaweco等にニブを供給しています。


創業者Peter Bockより、第三・第四世代に受け継がれている家族経営で、ニブは今もなおドイツ国内でハンドメイドです。

2004年に株式公開企業になり、社名がPeter Bock GmbHからPeter Bock AGへ。ただウェブサイトで確認できる限り、株式はどの市場にも上場していないようです。


インク・リフィル

続いて万年筆用のインク、ボールペン用のリフィルです。

Rohrer & Klingner(ローレル&クリングナー)1892年

Rohrer & Klingner(ローレル&クリングナー)は1892年、石版画家であったJohann Adolf Rohere氏によって、ドイツのライプツィヒ(Leipzig)にて創業したインク会社です。

1907年に、創業者の息子Johann Adolf Rohrereジュニアが、パートナーであるFelix Arthur Klingnerと共同でRohere & Klingner Leipzig-Coを設立。

1982年、現在のZella-Mehlisに移転するまで、オリジナルの生産設備を使用していました。

Schmidt(シュミット)1938年

Schmidt(シュミット)は1938年創業、正式名称はSchmidt Technologyで、リフィル製品をはじめとるする筆記具に加え、機械やセンサーも開発している、物凄くハイテクな企業です。

ドイツ南西部にある黒い森と呼ばれる、Schwarzwaldに本社を構えています。

1938年創業時は、時計の精密パーツ供給者として事業を開始。1952年にHans Schmidtが加わり、筆記具テクノロジー事業に注力。その後1964年に機械部門が、1983年にセンサーテクノロジー部門がそれぞれ誕生しています。

得意なテクノロジーを駆使したリフィル製品に注力し、無重力空間での使用に耐えうるMegaline、キャップレスシステム他を開発したりしています。

De Atramentis(デ・アトラメンティス)1991年

De Atramentis(デ・アトラメンティス)は、1991年から様々な種類のハンドメイド・インクを提供するメーカーです。

ドイツ国内で、Dr Franz-Josef Jansenによるハンドメイドです。

De Atramentisとしては1991年から販売を開始していますが、1735年ドイツの薬剤師Franz Esserがいくつかのインクを作成し、その方法をまとめたレシピ本が代々引き継がれて現在に至っており、その起源はかなり古いです。

ノート等

最後にノート等です。

Leuchtturm1917(ロイヒトトゥルム)1917年

Leuchtturm1917は、1917年にドイツ北部のハンブルク郊外で設立されたノートやバインダー類を主力とする文房具メーカーです。

ドイツ語のLeucht=光、Turm=タワーを組み合わせた単語で、Leuchtturm=灯台という意味です。

ハンブルクと言えば、港町として有名ですね。

定番のノートは「罫線」「方眼」「無地」「ドット」4種類のラインアップがあり、シンプルだけど機能的なノートです。

穴を開けずに板バネで書類を挟むことができるスプリングバック・バインダーは、設立当初と同じ手法で現在も製造されています。

最後に

駆け足ではありましたが、ドイツ製の文房具ブランドの紹介記事でした。

文房具に限った話しではありませんが、ドイツ人は質や実用性に対して厳しい国民だと思います。


ドイツ製の文房具は、どれも実用的だけど嗜好品の域に達していて、所有欲も満たしてくれます。

高価なものからお手軽なものまで、各メーカーごとに多くのラインアップがあるので、お土産やプレゼント、また自分へのご褒美にもぴったりかと思います!





※本文は以上です。
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