海外留学、海外赴任、海外移住など海外引越をされた事がある方は分かると思いますが、無茶苦茶大変ですよね。
何が大変て、わたしの場合、荷造り・荷解きは想像の範囲内で別に苦にならなかったのですが、事前の書類準備です。
国内引越しに無くて、海外引越しにあるものと言えば税関手続きです。
税関手続きが必要になる場合、当たり前といえばその通りですが、梱包した荷物全ての内容をリスト化しないといけません。
保険をかける側面もありますが、全ての荷物をリスト化するのは気の遠くなる作業で、もう自分が出国する前から疲労困憊です。
税関手続きを無くす裏技はありませんが、航空便や船便より早く、そして安く荷物を海外に送る、第三の方法(勝手に命名)があります。
ダンボール箱を受託手荷物としてチェックイン
受託手荷物(Checked baggage)とは、チェックインカウンターで預け入れする荷物、例えばスーツケースなどです。
機内に持込む荷物は、機内持込手荷物(Hand baggage)などと言われているかと思います。
海外引越と言えば、航空便と船便が真っ先に挙げられるかと思いますが、実はダンボール箱を受託手荷物としてチェックインして運ぶ第三の方法があります。
あまり空港にダンボール箱を持ち込んでいる人を見かけたことが無いかもしれませんが…ダンボール箱を受託手荷物としてチェックインするのは、適切に梱包されていれば全然ありです。
無料となるお手荷物の許容量に関するご注意
引用元リンク:https://www.jal.co.jp/jp/ja/inter/baggage/checked/
手荷物用ベルトコンベアでの搬送に耐えられるようにスーツケースそのほかの容器で適切に梱包されていない場合、受託手荷物として運送できない場合があります。また、複数の手荷物からなるお手荷物は、搬送中にそれぞれが離れたり一部が零れ落ちるなどしてほかのお手荷物に損傷を与える恐れのある場合には1個の受託手荷物としてはお預かりできません。
「適切に梱包」ですが、JALの抜粋にある通り、手荷物用ベルトコンベアでの搬送に耐えられるようにされていれば、問題無いかと思います。
旅行や出張と違って、海外引越においては、意外と受託手荷物は馬鹿にできません。
海外引越専用ダンボール箱の大きさ
実は海外引越専用のダンボール箱があります、大手引越業者を見てみます。
日通の場合、海外引越の梱包資材は以下の通りです。
Sカートン | Mカートン | Lカートン | |
---|---|---|---|
大きさ (3辺の和) | 51×26×40cm (117cm) | 52×51×40cm (143cm) | 79×52×26cm (157cm) |
容積重量の目安 | 20kg程度 | 15kg程度 | 15kg程度 |
用途の目安 | 文庫本 70冊程度 | セーター 10-15着程度 | 背広 10着程度 |
クロネコヤマトの場合、類似する種類のダンボール箱3辺の和(容積重量の目安)は、小さい順に、112cm(8.5kg)、145cm(17kg)、160cm(16kg)なので、大体日通と変わらないですね。
海外引越の為に、追加でスーツケースを購入する必要は無し
海外引越の為だけに、追加で大きなスーツケースを買うのは、あまりおすすめできません(大きなスーツケースは一つで十分ですね)。
そもそも大きなスーツケースは、国際線を使う時位しか出番が無く、家の中では結構な保管場所をとります。
例えば欧州に住む場合、欧州内の旅行であれば、機内持込み可能なサイズのスーツケースの方が、確実に出番が多くなります。
イージージェット(easyJet)、ライアンエアー(Ryanair)などの格安航空会社をはじめ、機内預入荷物があるかないかで、航空チケット代が(大幅に)異なってきます。
そして引越し後、ダンボール箱は捨てれば保管場所を取りません。結構、頑丈なダンボール箱なので、現地で引越しをする方がいる場合、譲ってあげると喜ばれますよ!
以下、順を追って説明したいと思います。
国際線クラス及びステイタス別の、無料受託手荷物の基準
本記事では、日本の航空会社2社を前提にみていきます。
ANA(全日本空輸株式会社)、JAL(日本航空株式会社)の国際線クラス及びステイタス別の、無料受託手荷物の基準です。
頻繁に基準は変わらないと思いますが、最新の情報は各航空会社の公式ページをご確認下さい。
ANA:https://www.ana.co.jp/ja/jp/international/prepare/baggage/
JAL:https://www.jal.co.jp/jp/ja/inter/baggage/checked/
一般会員の場合
一般会員 | 無料手荷物 | 1個あたり重量 | 3辺(縦×横×高さ)の和 |
---|---|---|---|
ANAファースト ANAビジネス | 3個まで 2個まで | 32kg | 158cm以内 |
ANAプレミアムエコノミー ANAエコノミー | 2個まで | 23kg | 158cm以内 |
JALファースト JALビジネス | 3個まで | 32kg | 203cm以内 |
JALプレミアムエコノミー JALエコノミー | 2個まで | 23kg | 203cm以内 |
航空券代が同じ場合であれば、ANAよりJALの方が、無料で預入れ可能な、荷物の容量がありますね。
ステイタス会員の場合
スターアライアンス・ゴールド(ANA)、JMB FLY ONやJGC(JAL)などのステイタス(上級ランク)会員であれば、無料受託手荷物の条件が優遇されます。
優遇される個数は、一般会員+1個ですが、JALプレミアムエコノミー・エコノミーだけ、1個あたり重量が23kgから32kgと増えメリットが大きいです。
ステイタス会員 | 無料手荷物 | 1個あたり重量 | 3辺(縦×横×高さ)の和 |
---|---|---|---|
ANAファースト ANAビジネス | 4個まで 3個まで | 32kg | 158cm以内 |
ANAプレミアムエコノミー ANAエコノミー | 3個まで | 23kg | 158cm以内 |
JALファースト JALビジネス | 4個まで | 32kg | 203cm以内 |
JALプレミアムエコノミー JALエコノミー | 3個まで | 32kg | 203cm以内 |
JGC会員でないクリスタル会員 | 3個まで | 23kg | 203cm以内 |
超過手荷物料金
無料手荷物の許容量を超える場合、超過手荷物料金が発生します。
以下の表は、日本から、ハワイ・北中南米・ヨーロッパ・中東・アフリカなどの場合で、何れも1個当たりの超過手荷物料金です。
条件 | ANA | JAL |
---|---|---|
個数超過 | 20,000円 | 20,000円 |
重量超過 | 23kg超~32kg以下:6,000円 32kg超~45kg以下:20,000円 | 23kg超~32kg以下:10,000円 32kg超~45kg以下:60,000円 |
サイズ超過 (縦×横×高さの和) | 158cm超~292cm以下:20,000円 | 203cm超:20,000円 |
2つ以上の条件に該当して超過する場合 | 各々の超過料金を足した額が適用 | 各々の超過料金を足した額が適用 |
なお、ANA・JALともに国際線の超過手荷物料金は、マイルで支払いが可能です。
重量超過ですが、ANAのプレミアムエコノミー・エコノミーの場合(23kg)、32kg以下までは、6,000円で済むのは、お得感がありそうです。
航空便・船便との比較
ここで冒頭の海外引越に話を戻し、航空便や船便より早く、そして安く荷物を海外に送れるか、比較してみたいと思います。
海外渡航先、荷物の個数、航空便や船便との組合せパターンが無数にあり、海外引越料金が合計いくらになるか、一概に言う事は難しいのですが、比較対象のコストがほぼ無料なら、文句無しで納得かと思います。
ダンボール箱を受託手荷物で | 航空便 | 船便 | |
---|---|---|---|
所要日数 | 自分と同じフライト◎ | 2週間程度〇 | 1-2か月程度× |
金額 | ほぼ無料◎* | 高い× | 安い〇 |
特徴 | 航空会社の各種制約あり〇 | 重さ次第△ | 荷物の容積次第◎ |
*ほぼ無料
以下の注意点(デメリット)で、多少コストが発生する旨説明しています。
ダンボール箱を受託手荷物で運ぶ方法ですが、以下の場合、メリットを最大限享受できるかと思います。
- 帯同家族が多い
- ビジネスクラス以上
- ステイタス会員
4人家族の場合で比較してみます。
4人家族、一般会員エコノミークラスの場合
4人家族の場合、一般会員エコノミークラスで海外長距離線を使うと、無料の受託手荷物は最大8個です。
一人一個スーツケースがある前提だと、4箱ダンボールを無料で預入れ可能です。
(大きさや重量の制限を満たしていれば)
4人家族、一般会員ビジネスクラスorステイタス会員の場合
4人家族の場合、一般会員ビジネスクラスorステイタス会員で海外長距離線を使うと、無料の受託手荷物は最大12~16個になります。
一人一個スーツケースがある前提だと、8~12箱ダンボールを無料で預入れ可能です。
(大きさや重量の制限を満たしていれば)
8~12箱のダンボールを航空便で送ろうとしたら、かなり高くつくと思います。
敢えて個数超過で、1箱2万円で航空会社から購入すると、総額16~24万円かかります。
注意点(デメリット)
ガムテープは持参必須
空港の税関でチェックされたりする可能性あり、ダンボール箱を開封しないといけない事がある為、自前でガムテープは持参必須です。
税関申告不要なものを中心に梱包
税関で申告しないで良いものを、ダンボール箱に梱包するのがポイントです。必要なものであれば、迷うことなく持込みをして、正々堂々と申告すべきですが、税関手続きが発生するので、少々空港で時間がかかってしまいます。
海外引越専用のダンボール箱がおすすめ
普通のダンボール箱と違う、強度が高い海外引越専用のダンボール箱がやはりおすすめです。引越業者から譲ってもらうのが間違いないと思いますが、アマゾンや楽天、ヤフーショッピング等で購入可能です。
「海外引越、強化ダンボール」等で検索すると、たくさん出てきます。
ダンボール箱の配送手続き
出発空港までと、到着空港から、ダンボール箱の配送手続きが必要です。特に到着空港で、宅急便で送れるか(到着時刻が、宅配業者の営業時間か)、大型ワゴンタクシーなどで自身と一緒に運べるかは、予め確認しておく必要があります。
コードシェア便
手荷物の受託条件・許容量については、原則航空券を購入した航空会社の基準が適用になりますが、取り扱いが異なる場合があります。直接、運航航空会社に確認することをおすすめします。
最後に
長々と書いてしまいましたが、海外引越の荷物を減らすには、現地調達が基本で、極力断捨離する事です。
とは言え、海外現地ですぐ手に入るか分からなかったり、日本と同じ質のものがあるか不安(概して、日本より質が劣り、かつ割高なものが多い)、また家族が多いと、どうしても色々と荷物が増えてしまうかと思います。
ダンボール箱を受託手荷物としてチェックインする方法(第三の方法)は、多少持ち出しコストが発生するものの、割高な航空便や、時間がかかる船便より早く、そして安く荷物を海外に送る事ができ、本当におすすめです!
なにより日常生活の必需品を持ち出せて、海外でもすぐに使えるのは、ストレスフリーですよね。
海外引越等で、日本を離れる時の電話番号について投稿した記事です。
※本文は以上です。
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