イギリスとドイツに住んでみて海外ヨーロッパでは髪(カミ)と同じかそれ以上に、髭(ヒゲ)に拘る男性が多い印象を受けます。
実際、イギリスでもドイツでも髭(ヒゲ)のグルーミングをしてくれる理容室(Barber = バーバー)が至る所にあり、男性は定期的に通っていたりします。
理容室と言いましたが、理髪店、床屋、サロンなんて呼ばれたりもしています。
ロンドンには世界最古の理容室があり、行こうと思えば普通に予約可能です。理容室でプロに、ウェットシェービングをしてもらうと、それはもう格別な気分になります。
本記事では、旅行ガイド本には載っていない(であろう)、ロンドンにある主な老舗理容室を、元ロンドン在住者が勝手に紹介したいと思います。
ロンドンの老舗理容室(バーバー)3選
ロンドンにある老舗理容室(バーバー)3選です、何れも地下鉄グリーンパーク駅から徒歩圏内に位置しています。
ウェットシェービング以外に、様々なサービスを提供したり、商品の販売をしていますので、興味があれば個別にご確認下さい。
Truefitt & Hill(トゥルフィット&ヒル)
- William Francis Truefittにより、1805年創業
- 世界最古のBarbershopとして、2000年ギネス認定
- 英国王室御用達の証、ロイヤルワラント(エジンバラ公フィリップ殿下)認定済み
- 使われる製品は全て英国製
- 伝統的なウェットシェービングは50ポンド、30分程度
- 2008年から日本で、商品の販売を開始
Truefitt & Hill(トゥルフィット&ヒル)は創業から200年以上続く、老舗中の老舗バーバーです。顧客はというと、偉大なる歴史上の人物達が数多く存在します。
一部抜粋ですが、ジョージ3世以降の英国ロイヤルファミリーからほぼ全ての男性、ウインストン・チャーチル、チャールズ・ディッケンズ、オスカー・ワイルド、アルフレッド・ヒッチコック、フランク・シナトラなどなど。
2004年ラスベガス店をオープンした際には、レオナルド・ディカプリオが来店した事で話題になっています。
これだけで、もうお腹いっぱいになります。
ロンドンにおける一般的な髪のカット料金を鑑みると、Truefitt & Hill(トゥルフィット&ヒル)のウェットシェービング(Wet shaving)50ポンドは、かなり良心的な価格だと思います。
また革靴で行くと、希望すれば施術中に無料でシューシャインしてくれますよ。
Geo. F. Trumper(ジオ・エフ・トランパー)
- George Francis William Trumperにより、1875年創業
- バーバーとしての腕前に加え、フレグランスブランドを確立
- 伝統的なウェットシェービングは40ポンド~
- 希望すればマンツーマンで、シェービング技術を学べる機会を提供しています
- 日本ではメンズ用コロン・フレグランスの方が知名度が高いかも
TrumperのフレグランスSandalwoodは、2002年にエリザベス女王2世のGolden Jubilee(即位50周年)を記念して作られています。
Sandalwoodは、シェービングクリームも出ています。
他にもJames Bondの小説『On Her Majesty’s Secret Service』(初版1963年)で、TrumperのフレグランスEucris(1912年発売開始)の記述があります。Eucrisは日本未発売のようで、アマゾンでは見つかりませんでした。
映画『SkyFalls』で、James Bondが髭剃りをする場面がありますが、Dovo(メルクールを保有する、ドイツのブランド)の直刃(Straight razor)に、Trumperのシェービングブラシを使っているとの指摘があり(但し現行品では無さそう)、シェービングボウルやソープもTrumper製のものでは無いかと言われています。
Geo. F. Trumperがお店を構えている場所は、メイフェアという一等地で屈指の高級住宅街です。創業当初から変わらずに、同じ場所でサービスを提供しています。
同じく創業時から変わらずと言われている、高級木材マホガニーを使った店内が醸し出す重厚感は圧巻です。
在英日本国大使館が近くにあります。
Alfred Dunhill Barber(アルフレッド・ダンヒル・バーバー)
- ダンヒルがプロデュースするバーバー(営業開始年は不明)
- アルフレッド・ダンヒルは1872年産まれ、世界的に有名なイギリスの起業家
- 伝統的なウェットシェービングは40ポンド~、30分程度
- 1720年建造のBourdon House内にバーバーがあり
- 建物は英国指定建造物グレードⅡ*に該当(登録番号1210196)、元々Duke of Westminsterが居住
イギリスでは、特別に建築上および歴史上重要な建築物を、3つのグレードに分類して法的に指定しています。
順序が逆だったかもしれませんがBourdon Houseこそが、ダンヒルの英国フラッグシップ店です。バーバー以外に、小売をはじめ色々とあるので訪れるだけでも楽しいと思います。
ダンヒルがタバコ・ライターの発明家だけあり、Bourdon House地下ではキューバ産のシガーを窘めます。
ダンヒルが世界で初めて発明した、ローラーによってフリントを摩擦し着火させるライターは、あまりにも有名です。当時、片手でライターを着火できるという事は画期的でした。
理容室(バーバー)番外編
昔ながらの直刃(Straight razor)・両刃カミソリ(Double edge razor)、シェービングブラシ、シェービングクリームなどは、イギリス製に加え、ドイツ製も海外ヨーロッパでは大変人気です。
特に自宅でも簡単に扱える両刃カミソリのホルダー本体は、個人的にドイツ製のモノがお気に入りです。
Mühle(ミューレ)
- 1945年創業ドイツのミューレが、ロンドンで展開するショップ兼バーバー
- ショップは2018年から、バーバー2019年から著名理容師Elliot Forbesとパートナーを組みサービスを開始
- ミューレは元々シェービングブラシの会社だった為、ブラシへの拘りがすごいです
- 場所は老舗百貨店Libertyのすぐ近く、有名なCanarby通りの一本裏手
- 伝統的なウェットシェービングは55ポンド(髪カット込み)、45分程度。
ミューレに加え、メルクール(Merkur)がドイツブランドとして有名です。
最後に
海外で生活をしていると、髪のカットをどこでするか悩む日本人が多いと思います。
日本人と外国人では髪質が違うし、美意識の違いなのか何なのか、とにかく男女問わず海外では日本人美容師さんが日本人に人気だと思います。
最初は、言葉の壁を理由にしているのかと思い、現地でチャレンジしてみましたが、あかんです。日本人美容師さんの方が、総じて高い技術力を持っています。
髭のグルーミングに関しては、日本でいう美容師さんの範疇では無いので、当然海外現地の理容室(バーバー)が選択肢になります。
ロンドンは見所がたくさんあるのですが、歴史や建築、直刃・両刃カミソリ(ウェットシェービング)好きでしたら老舗理容室は超オススメです!
ロンドンと言えばアフタヌーンティー(Afternoon Tea)、女性陣は食べ比べしたり、違うお店に行きたがる場合が多いと思いますが、正直二回以上行きたくないという男性陣は、思い切って別行動をして老舗理容室に行かれてはいかがでしょうか。
アフタヌーンティーと同じ位か若干安い値段で、理容室の効用は極めて高いと言えます。
※本文は以上です。
もし記事を気に入っていただけたら、是非、SNS等でシェアいただけたらと思います!
記事一覧は、サイトマップから確認できます。