プリペイドカードという概念を壊したRevolut(レボリュート)。実際に数年して感じた、5つのメリット・デメリット

Revolut(レボリュート)をヨーロッパ各国及びアジアなどで、実際に数年間自分で使用してみて感じた、5つのメリット・デメリットです。これからRevolutを使おうか検討している方は、是非ご一読いただけたらと思います。

Revolutは、メインの現地銀行口座を既にお持ちの方には、強くおすすめできるカードです。

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メリット

資金決済口座を持てる

単なるプリペイドカードと思ったら大間違い、通常の銀行口座と同じサービスが使える資金決済口座が割当てられます。

もちろん銀行振込をする際に必要なIBAN (International Bank Account Number)、ポンド通貨だとSort Codeと呼ばれる銀行コード及び個別口座番号、海外送金扱いのSWIFT (Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication) Codeも全て対応しています。

聞きなれない単語かもしれませんが、要はRevolutカードを持っていれば、国内・国外送金ができるという事です。

筆者はイギリスから、ドイツに引越しをした際、当然ユーロが手元に無いので、Revolutでポンドをユーロに両替して使っていましたよ。また、ドイツ国内に銀行口座を作った後は、イギリス国内の銀行にあるポンドを一旦Revolutにチャージ、Revolut上でユーロに両替をし、ユーロ建てでドイツ国内の銀行口座に送金しました。


イギリス国内は銀行振込手数料がかかりませんし、Single Euro Payments Area (SEPA)に該当するヨーロッパの国々であれば、国をまたいでも、ユーロ建ての送金に関しては基本的に手数料がかからないので、かなりお得に海外送金できます。

日本でスイカなどのプリペイドカードだと、駅以外でも大分使える場所が増えてきたと思いますが、それでも銀行振込をしたり、為替両替したりできないと思います。それがRevolutだと、できるんです。

資金決済口座が持てるだけでなく、公式サイトによるとVISAやMaster社が対応している通貨全てに対応しているので、ポンドやユーロをはじめ、150を超える通貨が取扱可能です(一部例外あり)。一枚のカードで、あらゆる通貨を管理できるのは楽ですよね。特に海外旅行時は重宝します。

各種通貨でお金を持つだけでなく、海外ATMで現地キャッシュを手数料無料で引き下ろしもできてしまいます。海外ATM使用に関する手数料は、イギリスにお住まいなら月間200ポンド相当まで、ドイツであれば月間200ユーロ相当まで無料で、一切かかりません。

似たような機能を持つカードとして、ワイズ(旧TransferWise)があります。

外貨の収入がある個人事業主・フリーランス・アフィリエイター等の人にとっては、ワイズのボーダレス口座(執筆時点では日本未上陸)を使うメリットが大きいと思います。

ボーダレス口座は海外現地に赴かなくても、6つの通貨で現地銀行口座を持てますからね。

居住国以外の通貨で収入がなく、定期的に海外送金をせず、個人的な海外旅行位でしか外貨を使わない場合、ワイズのボーダレス口座ではなくて、レボリュートの方が、使い勝手が良いかもしれません。

為替手数料がほぼ無し(Wiseより更に安い)

為替手数料が安いのでRevolutカードを作る方がほとんどだと思います。私もそうでした。

今時少ないかと思いますが、例えば銀行で外貨を売買しようとすると、TTS (Telegraphic Transfer Selling rate)とかTTB (Telegraphic Transfer Buying rate)と言われる基準レートがあって、TTSもTTBも既に、市場での中値では無いですよね。差額は銀行の手数料です。


Revolutのすごいところが、まさにほぼ市場の中値(インターバンクレート)で取引ができてしまうんです。TTSとTTBの平均値です、それもリアルタイムで。

それまでは海外に行く度、両替所や現地ATMで銀行カードを使って、キャッシュを得ていたのですが、場所によって手数料率が違ったり、ATM使用料があったり、マイナー通貨になる程、手数料がかさんだりで、とにかく気分よく両替した事が無かったんです。

Revolutの場合、隠れたコストが無く、価格透明性が極めて高いので、本当に気分良く取引ができます。

日本のクレジットカードを海外で使った場合も、為替手数料は取られますが、例えばイギリスの銀行カードを海外で使うと、驚くほど手数料を取られます。

金額に対して定められた●%と、実額の最低手数料●ポンドの大きい方、とかなので、どんなに小額でも手数料がかかり、決済回数が増えるほど手数料が、積みあがっていく方式です。

それならと、現金を予め多めに両替すると最終的に余ったりして、また両替し戻して、その時に手数料とられて、結局得したのか損したのか、多分損していますね。

これはもう事実上選択肢が他に無いので、仕方ないと思われている方も多いと思います。

それがRevolutだと、両替がインターバンクレートという、衝撃的な神カードなんです。

Wiseより更に安いといえば、実感が湧く方も多いのではないでしょうか。
※但し、上記ボーダレス口座をお持ちの方であれば、通貨ペアによってはミッドマーケットレートで両替できるので、そこまでレボリュートと大差無いかと思います。



因みにイギリス発Monzoや、ドイツ発N26は、海外送金にWiseのプラットフォームを使用していますね。



Revolutは、厳密にはプランによって、月額無料で両替できる上限がありますが、フリープランでも月5,000ポンド相当までOKなので、よっぽどの事が無い限り、気にする必要はなさそうです。

私はRevolutを入手してから、両替所に全く行かなくなりました。

また旅行後など、あまったお金は、またインターバンクレートで元の通貨に両替できるので、無駄が一切ありません。Revolutを使い始めるまでは、現金が手元に残ると、紙幣はまだしも、コインはもう使い切るしかないので、空港で無駄に何か買い物していました。

コンタクトレスなので、Oyster代わりに使える

おそらくイギリス国内であれば、日本からの旅行者が一番行くであろうロンドン。ヨーロッパでも随一の、日本人長期滞在者数を誇る都市です。

Oysterカードはイギリスのロンドン市内の公共交通機関で使える非接触型のICカードです、現在地下鉄もバスも現金ではチケットの購入ができません。


Revolutがあればカードが一枚減るし、Oysterにチャージする手間が無くなるので良いですね。RevolutとOysterカード、どちらで支払っても交通機関の料金に差はありません。


ロンドンはとにかく、一杯のコーヒーすらカード払いで、現金を使う機会がほとんどありません。

なのでコンタクトレス決済機能を搭載したクレジットカードやデビットカードは必須です。

セキュリティ対策が素晴らしい

今まで使った事は無いですが、カード紛失時等にAppで簡単にカードの凍結ができます。凍結解除も同様にAppでできます。

銀行やクレジットカード会社に電話しなくて良いんです。似た機能で、海外でATM使用をできなくする設定等もAppで可能です。

海外とかよく知らないお店で、カード払いするのって少し怖いですよね。スキミング被害とかもありますし、メインでもサブでも、カードが止められると困るし、何より引き落し口座に設定してたりすると、諸々の事後手続きが面倒だと思います。

そういう時こそ、Revolutが大活躍です。一種の捨てカード的な意味合いですね。給与振込等で使用している大事なメイン口座は、外界に触れさせないのが何よりのセキュリティです!

またイギリスでは、もう何でもかんでもコンタクトレス決済が主流になりつつあります。コンタクトレスだとPINコード入力が不要で、楽ですからね。

でもセキュリティ上心配だから、毎回PINコードを打ちたいという方には、コンタクトレス決済をできないよう、Appから設定できます。その場合は、カード読取り機にカードを入れてPINコードを打ちます。

あとは一度Appで設定をオンにすると、あなたの位置情報と異なる場所(例えば違う国など)でカードが使われそうになると、自動的に取引を遮断してくれますよ。

セキュリティ関連では、海外旅行時など無料Wi-Fi(公衆無線LAN)を安全に使う事ができる、VPNについて記事を投稿済みです。

Appが日本語や英語で使える

英語が苦手な方や、非英語圏の方には、Appが日本語で使えるのはかなりのメリットだと思います。

お金を扱うAppだからこそ、しっかりと内容を理解した上で使いたいですよね。何もRevolutを使って語学を勉強する必要は全く無いので、日本語(や英語)でさくっと設定して使いこなすべきだと思います。

語学を学ぶなら、ちゃんとしたAppや教材を使って別途やりましょう。

デメリット

銀行では無いので、預け入れた資金は預金保護の対象外

Revolutは銀行では無いので、預け入れた資金は預金保護の対象外です。別途記事でまとめてあるので、詳しくはそちらをご覧ください。もしRevolutが預金保護対象になったら、間違いなく最強のカードになります。

でも私が経営者なら、預金保護の対象になった段階で、各種手数料を(実質)上げますね。

月間の為替両替額や、ATM引出し額の上限がある

プランにもよりますが、多額の金額を動かす人は要注意です。無料プランでも普通に生活する分には、さほど影響はないと思いますが、上限額を超えると手数料がかかるので注意が必要です。

無料プランで、月額為替両替取引の上限額(5,000ポンド相当)に達しても、手数料を払えばRevolutを引き続き使えますが、 通貨や金額の組合せによっては、 Wiseなどの方が安いかもしれません。

無料プランの場合、月額ATM引出し額の上限は200ポンド(イギリス)・200ユーロ(ドイツなど)です。超過分については、2%の手数料がかかります。

但しイギリスやドイツの場合、スーパーなどのレジでキャッシュアウトといって、銀行やRevolutのアカウントから、現金を引出す事ができます。少額でも何でも良いので、何か商品を買わないと、キャッシュアウトできませんが、キャッシュアウト自体はATM引出し額にカウントされないです。

ATMから入金できない

別途、銀行振込みやデビット・クレジットカードで、Revolutにチャージ(トップアップ)する必要があります。慣れてしまえば問題無いと思いますが(特にイギリスでは、銀行振込みでも、即時取引が反映されるので)、留学生など海外現地で給与を受け取って無い方は、使い勝手が多少悪いかもしれません。

物理カード発送手数料がかかる

無料でカードを発行・発送している銀行やカード会社がほとんどの中、Revolutはカード発送手数料がかかるので、どうしても目についてしいます。

でも紹介キャンペーン等を利用すれば無料になるので、そういったタイミングを狙えば良いと思います。

仮に発送手数料がかかっても、Revolutカードを使う事によって得られる金銭的メリットを考えると、全然ペイすると思います。

週末は為替手数料が割高になる

平日、市場が開いている時は、Revolutより手数料が安い先は見たことありません。ほぼ、インターバンクレートなので、もうRevolutが無双状態です。

ただ注意が必要なのは、市場が閉じている週末の取引です。

確かに、すぐにヘッジ取引ができないのでオファー・ビッドが広がるのは理解できますが、週末にRevolutで取引するなら、通貨や金額の組合せによっては、Wiseなど他のAppを使った方が安いかもしれません。

メジャーな通貨であれば、週末の為替手数料は0.5%かかります。

まとめ

いかがでしたでしょうか、できれば同じ文字数でメリットとデメリットを比較したかったのですが、本記事では圧倒的にメリットが文字数で勝ってしまいました。それだけ、メリットがあるという裏返しではあるかと思います。

しかし一番のデメリットは、預金保護対象では無いので、Revolutへのチャージ金額は、海外に行く都度する、毎月の生活費やお小遣いだけ等にして、ほどほどに使うのが良さそうです。


リトアニアで確か、Revolutが以前銀行ライセンスを取得していたようなニュースを聞いた事があるないあなた、現状整理した記事を投稿しましたので、合わせてご覧いただけたらと思います。

為替手数料が安いのは言うまでもありませんが、Revolutの真骨頂は捨てカード的に使って決済する事で、あなたのメイン銀行のカードを世の中にさらさずに済むので、それだけでもセキュリティが高まるメリットがあります

筆者も、実際そういう使い方をしています。間違っても、大金はRevolutに入れないようにしています。


Revolutは、メインの現地銀行口座を既にお持ちの方には、強くおすすめできるカードです。

※お住まいの国ごとに手数料体系が定められていますので、プラン別と合わせて、詳しくは公式サイトでご確認下さい。


最後に、イギリス在住者であれば、英国の消費者信用法セクション75(Section 75 of the Consumer Credit Act)により、100ポンド超のクレジットカード払いで商品やサービスを購入した消費者を、保護する規定があります。

RevolutやWiseなどのプリペイドカード払いは、英国消費者信用法セクション75の適用外となるので、注意が必要です。

同様に、デビットカード払いも、同法セクション75の適用外です。


※本文は以上です。
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