Revolut(レボリュート)がリトアニアで銀行ライセンスを取得、今までと何が変わるの?

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2018年12月に、Revolut(レボリュート)はリトアニアで銀行ライセンスを取得したとして、公式サイト上でリリースを出しています。

イギリス国内外のユーザーにとって、今までと一体何が変わったのか、検証してみたいと思います。

ドイツ在住の筆者は、Revolutをヨーロッパ各国及びアジアなどで、実際に数年間自分で使用中です。 ユーザーの視点を交えて、話していけたらと思います。


既にRevolutユーザーから、現在カード取得を検討中の方まで、ご参考になれば幸いです。

結論としては、リトアニアでRevolutが銀行ライセンスを取得した事によるユーザーメリットは、リトアニア国内のユーザーを除き現状無く、依然Revolutはプリペイドカードで特に何も変わらない、です。


当時のプレスリリース

Revolutのプレスリリース

以下が当時のRevolutプレスリリース抜粋で冒頭部分です。銀行ではなく、いわゆる資金移動業者としてスタートしたRevolutにとっては、将来の方向性ががらりと変わるイベントだった筈です。その盛り上がりが、リリースでも垣間見えます。

13 DECEMBER 2018
We got a banking licence

Today, we’re incredibly excited to announce that our application for a European banking licence has been approved by the European Central Bank. As you can imagine, this is a pretty huge milestone for us.

This licence will help us towards our goal to build an account where you can manage every aspect of your financial life, with the best value and using the best available technologies.

Now, it’s worth pointing out that nothing is going to change right away. Despite being granted with a licence, this does not automatically turn us into a bank right away.

In the coming months, we’ll be doing a lot of building and testing behind the scenes, and working closely with the regulators to have any restrictions on our licence removed, so that we can launch full current accounts, overdrafts and everything else you’d expect from a bank.

引用元リンク: https://blog.revolut.com/we-got-a-banking-licence/

リトアニア中銀のプレスリリース

こちらも抜粋ですが、リトアニア中銀のサイトでも、当時以下の通りプレスリリースされています。

Revolut granted specialised bank and electronic money institution licences
2018-12-13

Following the assessment and proposal of Lithuania’s financial regulator, Revolut Technologies UAB has been granted a specialised bank licence by the European Central Bank, while the Board of the Bank of Lithuania issued Revolut Payments UAB an electronic money institution licence. The two companies are part of Revolut Ltd.

引用元リンク: https://www.lb.lt/en/news/revolut-granted-specialised-bank-and-electronic-money-institution-licences

Revolut Technologies UABというのが、スペシャライズドバンクとしてのライセンスをEuropean Central Bankj (ECB)から取得しています。

スペシャライズドバンクというのは、銀行ライセンスの種類の一つです。フルライセンスの銀行と比べて、スペシャライズドバンクは資本金が少なくて良いとか、投資サービスが提供できないとか、異なる点はあるものの、れっきとした銀行です。


別のRevolut Payments UABは、資金移動業者のライセンスをリトアニア中銀から取得しています。こちらは銀行ではありません。

わたしの周りの反応

リリースがでた当時は結構な騒ぎで、みな興奮気味でした。今まで銀行ではない、ただのプリペイドカードだったのですが、これからはもっと安心して使えるようになると。

Revolutの当時プレスリリース内容を読み進めると

預金保護は将来的にされる見込み?!

しかしRevolutの当時プレスリリース内容を読みすすめると、将来Revolut Bank(厳密には、Revolut Technologies Bank UABを指しているのだと思われます)でカレント口座(利息がつかない普通預金口座)を開設すれば、欧州預金保険制度(EDIS)によって、100,000ユーロまで預金保護される見込みです。但し、EDISはまだ実現しておらず、現状は今まで通り、他の銀行口座にあなたの資金は分別保管されます。とあります。

13 DECEMBER 2018
Your money will be protected

If you choose to open a full current account with Revolut Bank in the future, any funds you deposit will be protected up to €100,000 under the European Deposit Insurance Scheme (EDIS).

It’s worth pointing out that this scheme is not currently in place, so your current funds with Revolut remain safeguarded in accounts with a tier one UK bank, as per our obligations under the e-money regulations.

引用元リンク: lised-bank-and-electronic-money-institution-licences

なんだか、これだけ読むと、おぉEDISっていうので、今後Revolutに預け入れた資金は保護されるんだなぁって、勘違いする人が多そうです。

えっ、今EDIS?!

唐突にすみません、筆者が当時リリースを読んで思った感想です。

なぜRevolutがリトアニアDPSには一切触れず、いきなりEDISを持ち出したのか全く理解できなかったからです。

ヨーロッパでは欧州預金保険制度(European Deposit Insurance Scheme = EDIS)が実現しない限り、預金保護に関しては、各国の預金保険制度(Deposit Protection Scheme = DPS)に依存します。

EDIS(European Deposit Insurance Schemes)は2015年に提案された、一応2025年までに完成させるとするEUの野心的な計画の一つ。現状、各国DPSでバラバラに運営・管理されているのを、EU域内で統一させようというものです。

以来、EDISは欧州で議論されているテーマですが、実現するのかも含めて、確定的な事は執筆時点で何一つないです。そのような段階で、EDISをRevolutが持ち出すのは話が飛躍しすぎているし、ちょっとユーザーに誤解を与えかねないですよね。

リトアニアの銀行ライセンス取得から1年半経ち、ようやく稼働

2018年12月に、Revolutはリトアニアで銀行ライセンスを取得し、約1年半後の2020年5月に、ようやくリトアニアでの銀行が稼働しました。

5 May 2020
Revolut Bank launches in Lithuania

Upgrade to the bank in minutes
Lithuanian customers upgrade to Revolut Bank in a matter of minutes. Simply update to the latest version of the app, and follow the instructions from the news banner on the main app screen. The whole process should only take a few minutes.

Deposit protection up to €100,000
Lithuanian customers who upgrade to Revolut Bank will have their deposits protected (salary, for example) up to €100,000 by the Lithuanian State Company Deposit and Investment Insurance.

引用元リンク:https://blog.revolut.com/revolut-bank-launches-in-lithuania/

リトアニア国内のユーザー

リトアニアの現地銀行Revolut Technologies UAB(資金移動業者ではなく、銀行の方)が上記の通り2020年5月から正式にオペレーションが開始たので、同国内の銀行ユーザーは、現地の預金保険制度(DPS)によってRevolutで保有するお金は、100,000ユーロまで保護されます。

しかしAppから銀行への移管手続きをしないと、Revolut Payments UAB(資金移動業者)のユーザーのままなので、預金保険制度の対象外となるので注意が必要です。

EEA圏内のユーザー(イギリスやドイツなど)

リトアニアの現地銀行 Revolut Technologies UAB (資金移動業者ではなく、銀行の方)がオペレーションを開始済みであっても、リトアニア国外のEEA圏内ユーザーは、同国預金保険制度(DPS)によってRevolutで保有するお金が、自動的に保護される訳ではありません。

リトアニアでの銀行ライセンスを以て、いわゆるEUパスポーティングされた国でなければ、リトアニアDPSのカバー対象にはなりません。  

公式ページを見る限り、今後その他の中東欧地域へEUパスポーティングで銀行ライセンスを拡充予定、との事なので期待です。

※イギリスに関しては2020年1月にBrexitしてEUを離脱したので、EUパスポーティングを使うという選択肢はそもそも無いですね。

一方で、イギリス国内で銀行ライセンス取得の初期段階であるようです。

2019年12月12日に更新された別リリース記事

Brexitに備え、イギリス国外のRevolutユーザーに関しては、順次リトアニアの会社(Revolut Payments UAB)へ移管作業がすすめられています。

以下、抜粋をご覧ください。

Transferring customers to our Lithuanian entity

What entity will I be transferred to?

You will be transferred to Revolut Payments UAB, which is an e-money institution licensed and regulated by the Bank of Lithuania.

Am I being transferred to Revolut’s Lithuanian banking licence?
No, you are being transferred to our Lithuanian entity which is a licensed e-money institution (the same type of company as our UK entity).

引用元リンク: https://blog.revolut.com/transferring-our-lithuanian-customers-before-brexit/


Revolut公式ページでも、リトアニアへの移管先は銀行では無く、資金移動業者であるRevolut Payments UABとなっていますね。

なお2020年12末までは、イギリスにおいてEU法が適用されるので、例えばわたしが現在住んでいるドイツでは、まだリトアニアへ口座が移管されずに、ロンドン本体の口座を持っている状況です。

気になるネタ

そもそもリトアニア国内で、Revolutが銀行ライセンスを取得してから稼働するまで、1年半が経過した理由は何なのでしょうか。

2019年2月19日付けFinancial Times記事によると、株主資金の拠出元や、ロシア・クレムリンとの繋がり(Revolut創始者及びCEOのMr Storonskyはロシア生まれ、実父は国営企業ガスプロムに勤務、ITデベロッパー数十人がロシアにいるなど)、バルトの少国リトアニアの規制当局が果たして、同国に流入し続ける新鋭Fintech企業(Revolut含む)を適正に監督できるだけの十分な人員や知見があるのか、銀行ライセンス付与プロセスは適切だったかなど、政治家達から審査の見直しを求めて意見が出されたようです。
(詳細はFT原文をご確認ください)

最後に

当時のニュースを聞くと、Revolutは銀行ライセンスを取得したから安心、という印象を与えかねないですが、以上のように読み解いていくと、リトアニア国内のRevolutユーザー以外は、特に今までと変わらず単なるプリペイドカードです。

リトアニアでRevolutが銀行ライセンスを取得した事による、ユーザーメリットは現状無く、特に何も変わらない、と言えます。

目先、筆者が注目しているポイントは2つあります。

分別保管先の銀行

イギリス国外のRevolutユーザーに関しては今までイギリスの銀行BarclaysやLloydsが分別保管していましたが、Brexit後はRevolutが規制対応で、イギリス国外の銀行に分別保管をする必要があります。

新たな分別保管先は、一体どこになるのでしょうか。

リトアニアの銀行、EUパスポーティング

Revolut Technologies UABが稼働した事で、様々な情報が飛び交いましたが、一旦は規制当局からのお墨付きを得たという事が言えるかと思います。

今後はリトアニアの銀行からEUパスポーティングで、どのEU諸国が新たに預金保険制度(DPS)の対象となるか注目です。

締めの言葉

筆者自身はRevolutのヘビーユーザーで大ファンです。明らかにデメリットを超えるメリットがあります。


ただ、単なるプリペイドカードであるRevolutを、銀行として扱う人が多いのに違和感を感じ、いくつか関連記事を投稿しています。特にRevolutがリトアニアで銀行ライセンスを取得後から、誤解している人が多い印象です。

どの国で、銀行ライセンスを取得したかが重要なので、あなたが住んでいる国で、銀行なのか資金移動業者なのか個別に確認する必要があります。

適宜、自称Revolutウォッチャーとして、情報を更新していきたいと思います。



※本文は以上です。
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