ワードやエクセル等Microsoft Office製品を使わずに、1年間過ごしてみた時の記録です。
あまり使わないワード(Word)やExcel(エクセル)、アウトルック(Outlook)、パワーポイント(PowerPoint)等のMicrosoft Office製品を購入するか悩んだ事はありませんか?
今まで当然のようにMicrosoft Officeを買い続けていた筆者ですが、プライベートでは年間を通してワードやエクセルの使用頻度が低い事に気付き、Microsoft Office無しで過ごしてみたら、不都合が生じるか気になったので、実際に試してみました。
脱ワード&エクセルを検討している人、Microsoft Office製品との高い互換性がある無料代替ソフト・アプリを探している人の参考になれば幸いです。
脱ワード&エクセルして1年が経過した結果
脱ワード&エクセルして1年が経過した結果、特段困る様な事はありませんでした!
本記事で伝えたい事をまとめると、Microsoft Office製品の代わりとして総合的に鑑みるとクラウド型Googleと、インストール型LibreOfficeの併用が最強です。
Microsoft Officeが入ってないパソコンは、なんとなく心配ではあったのですが、全て無料で使えるグーグル(Google ドキュメント、スプレッドシート、スライド等)があれば、大抵のことは全て事足ります。
グーグルのようにクラウド(オンライン)型ではなくて、従来のインストール型が良ければ、LibreOffice(後述)がおすすめです。
元々プライベートでは、ワードやエクセルをほとんど使用していなかった事もありますが、Microsoft Office製品を使わずに、1年間あっさりとサバイブできました。
勿論、必要なら買うし、何ならMicrosoft Office製品自体は長年使い続けている為、扱いに慣れていて便利である事に違いありません。
如何せん、プライベートであまり使う事が無さそうな製品に、わたしの場合お金を使う意味を見出せなかったのです。
永続版を一度買ってしまえば、サブスクリプションなど月々の費用はかかりませんが、確実に将来バージョンアップされると廃れていく運命なので、時間が経つ程に価値が落ちて行く事が見えています。
わたしのように、たまにしか使わないライトユーザーにとっては尚更です。
サブスクリプション版のMicrosoft 365であれば、月々千円程度で常に最新のバージョンが使えますが買い切りでは無いので、解約するまで毎月の支払いが発生します。
永続版もサブスクリプション版も、それなりにメリットはあると思いますが、たまにしか使わないわたしのニーズには合致しません。
Microsoft Office製品と互換性がある、無料代替ソフト・アプリ
プライベートでは、ワードやエクセルをほとんど使用しないといっても、保存しているファイルがありましたし、稀にワードやエクセルのファイルがメールで添付される事もあるので多少は出番があります。
そこでMicrosoft Office製品との高い交換性がある、無料で使える代替ソフト・アプリは、何が良いか当時調べました。主な条件は以下の通りです。
- 無料
- Microsoft Office製品との互換性
- OSに依存しない
- オフラインでも使用可能
- マクロ機能が使える
- 開発元が信頼できる
なお筆者のメインPCはWindowsである事から、一応iCloudアカウントは保有していますがアップル社が提供するiWork(Pages、Numbers、Keynote)は比較対象から外しています。
またMicrosoft Officeは無料で使えるWeb版を提供していますが、インストール版と比べて各種機能が制限(マクロ他)されている事から、こちらも比較対象から外しています。
Google Docs, Sheets, and Slides
まずはGoogleです、繰り返しですが大抵のことはGoogleで全て事足ります。
Google Docs, Sheets, and Slides (Google ドキュメント、スプレッドシート、スライド)と長い正式名称で、それぞれMicrosoft Office製品のWord、Excel、PowerPoint(ワード、エクセル、パワーポイント)に該当します。
欧州では個人のみならず、Googleドキュメントやスプレッドシートを使い始めている企業が年々増えてきている印象です。
グーグルアカウントさえあれば無料で使えますし、意外と知られていないかもしれませんが、オフラインでも使えるんです。
オフライン時に Google ドキュメント、スプレッドシート、スライドで作業する
引用元リンク:https://support.google.com/docs/answer/6388102?co=GENIE.Platform%3DDesktop&hl=ja
インターネットに接続していない場合でも、次のファイルを作成、閲覧、編集できます。
・Google ドキュメント
・Google スプレッドシート
・Google スライド
上記引用元リンクのGoogle公式サイトで、オフラインでの使い方が日本語で詳しく説明されています。
クラウド型なのでスマホやタブレットからも、ファイルにアクセスできるメリットがあります。
今までインストール型のエクセルを使っていた筆者は、クラウド型Googleスプレッドシートを使い始めて、その拡張性に驚かされました。
説明しきれない位、様々なサービスがあると思いますが、例えばエクセルで組んだマクロの実行処理は、そのエクセルを開いていないと動かないですよね?
一方のGoogleスプレッドシートは、クラウド型なのでシートを閉じていても(例えパソコン自体起動していなくても)、指定した時間にマクロの実行処理ができます。
わたしはブログに投稿した記事タイトルやURLをGoogleスプレッドシートで管理して、Googleが提供しているJavaScriptベースの開発環境Google Apps Script(GAS)を用いる事で、Twitterに過去記事を自動投稿(以下、Twitter投稿例)しています。
Twitterの自動投稿はGoogleスプレッドシート及びGASを活用した1つの例に過ぎませんが、クラウド上で様々なソフトやアプリと連携できるのは強みかと思います。
一方でクラウドの宿命ですが、Google社のサーバーがダウンすると使い物になりません。直近だと2020年12月14日に1時間弱、Gメール、YouTube、カレンダー、地図など全てのサービスが使えなくなりました。
あと今までインストール型のMicrosoft Office製品を使ってきた人の場合だと特に、個人情報が含まれたファイルを、クラウド上で保存するのに抵抗がある人は一定数いるかと思います。
長年の癖というか、わたしがそうです。あとバックアップ目的もありますが、クラウドとは切り離して保存しておく事で、Googleのサーバーが万が一落ちたり、何らかの理由でアクセス不能になった場合、大切なファイルを失わずにすみます。
理由はともあれクラウド型サービスを避けたい、或いは併用する場合、選択肢になるのが、続いて説明するインストール型のLibreOfficeとApache OpenOfficeです。
LibreOffice
LibreOfficeは、NPOであるThe Document Foundation(ドキュメント財団)が開発するオープンソースソフトウェアです。
Microsoft Office代替ソフトは数多くありますが、色々と調べた結果インストール型で、わたしが一番おすすめなのはLibreOfficeです。
Libre Writer、Calc、ImpressがMicrosoft Office製品のWord、Excel、PowerPoint(ワード、エクセル、パワーポイント)にそれぞれ該当します。
PDFとしてエクスポートできますし、Drawを使えばテキスト編集や図形・グラフなどの挿入も可能です。
フランス、スペイン、イタリアなど防衛省含む政府機関・自治体・学校・病院等で、LibreOfficeが導入されている事から、インストール型のMicrosoft Office代替ソフトとしては知名度が抜群かと思います。
どんな人がLibreOfficeを使っていますか?
引用元リンク:https://ja.libreoffice.org/discover/who-uses-libreoffice/
世界中の数千万の人々が、家庭で、仕事で、慈善団体で、そして政府機関でLibreOfficeを使っています。 注目のユーザーを挙げます:
フランス
MIMO、フリーソフトウェアに関するフランスの省庁横断作業部会は、約50万台のPC上でLibreOfficeを導入しています。LibreOfficeはエネルギー、防衛、農業そして教育など多くの省庁で使われています。
スペイン
スペインのバレンシア自治州では12万台のPCにLibreOfficeを導入しました。 これによりITベンダーに依存せず管理ができるようになり、独占的ソフトウェアのライセンスへの支出額を削減しました。
イタリア
イタリア防衛省は10万台を超えるPCをLibreOfficeとオープンドキュメントフォーマット(ODF)に移行しています。防衛省はLibreOfficeへの乗り換えを支援するオンラインコースを 開発しています。
日本でも、徳島県庁や福島県会津若松市役所、埼玉県久喜市役所、滋賀県甲賀市役所、静岡県湖西市役所、愛知県豊明市役所、JA福岡市などの自治体で利用されています。
日本語化できるので、一通りMicrosoft Office製品を扱った事があるのであれば、直感的にLibreOfficeも操作できると思います。
政府機関や自治体における導入実績がある点は、馴染みが全く無い新規LibreOfficeユーザーに、ある種の安心感を与えるのではないでしょうか。
加えて開発元であるドキュメント財団のアドバイザリーボードとしてGoogle、City of Munich、UK Government Digital Services他が名を連ねているのもポイントが高いです。
https://www.documentfoundation.org/governance/advisory-board/
一応LibreOffice Onlineというのもあり、クラウド型サービスも提供していますが、それならGoogleで良いかなと思います。
Apache OpenOffice
未だによくLibreOfficeと比較される事が多いApache OpenOffice(開発元は、Apacheソフトウェア財団)も念のため記しておきます。
結論からお伝えすると、Apache OpenOfficeはメジャーリリースが2014年で止まっているので、個人的にはあまりおすすめできません。
特にMacユーザーの場合、Apple Silicon(M1)などをはじめとするBig Sur(バージョン11)を搭載したOSでは、上手くApache OpenOfficeが動作しないので注意が必要です。
Apache OpenOffice for MacOS X
引用元リンク:https://www.openoffice.org/porting/mac/
The current Apache OpenOffice supports Apple MacOS X version 10.7 (Lion) – 10.11 (El Capitan) and macOS 10.12 (Sierra) – 10.13 (High Sierra).
Apache OpenOfficeもLibreOffice同様にオープンソースソフトウェア、インストール型で、日本語化の上使用する事が可能です。
実はLibreOfficeもApache OpenOfficeも、OpenOffice.org(2011年終了)の後継プロジェクトです。
OpenOffice.orgの説明は割愛しますが、Microsoft Officeに対抗する為、Sun Microsystems(2010年Oracleが買収済み)がオープンソース化して、2000年にリリースしたものです。
PALO ALTO, CA – July 19, 2000 – Today at the O’Reilly Open Source Convention in Monterey, California, Sun Microsystems, Inc. announced it will release the source code of its StarOffice (TM) Suite, a leading, high quality, office productivity application software suite, to the open source community under the GNU General Public License (GPL). Sun also announced OpenOffice.org will be formed and managed by Collab.Net and will serve as the coordination point for the source code, the definition of XML-based file formats, and the definition of language-independent office application programming interfaces (APIs.)
引用元リンク:https://www.openoffice.org/press/sun_release.html
Apache OpenOfficeは2012年5月に初版をリリース以降、メジャーリリースは2014年4月(その後、マイナーリリースは8回)を最後に更新が無く、事実上、開発が停止状態と言えます。
更新が少ない分、バグが発生しにくいメリットはありますが…最新のMac OSに対応してなかったり。
一方LibreOfficeは初版がリリースされた2011年1月以降、メジャー(直近は2020年2月の7.0)及びマイナー(2020年12月の7.0.4)リリースの頻度が高く、絶え間なく改良が加えられている印象です。
Macユーザーの場合、LibreOfficeはBig Sur(バージョン11)にも対応しています。
LibreOfficeであれば.docx、.xlsx、.pptxの拡張子で出力できますがApache OpenOfficeは未対応です。
Apache OpenOfficeで作成したファイルをGoogleスプレッドシートで開き、.xlsx形式に出力する方法がありますが、それなら最初からGoogleスプレッドシートで良い訳ですし…
以上より、インストール型の場合LibreofficeとApache OpenOfficeであれば、LibreOfficeがおすすめです。
最後に
脱ワード&エクセル(Microsoft Office製品)しても特段困る事は無く、グーグル(Google ドキュメント、スプレッドシート、スライド)があれば、大抵のことは全て事足ります。
但しクラウド上にファイル等を保存するのに抵抗がある場合、またバックアップ目的等によりインストール型が良ければ、総合的に鑑みてLibreOfficeが個人的にはおすすめです。
Libre | Apache | ||
---|---|---|---|
開発元 | ドキュメント財団 | Apacheソフトウェア財団 | |
メジャーリリース | 常に最新 | 2020年2月 | 2014年4月 |
Microsoft形式での読み込み | 〇 | 〇 | 〇 |
Microsoft形式での書き出し | 〇 | 〇 | × |
電子署名 | 〇 | 〇 | × |
クラウド(オンライン) | ◎ | 〇 | × |
オフライン | 〇 | ◎ | ◎ |
マクロ・VBA | 〇 | 〇 | 〇 |
Microsoft Office製品の代わりとして総合的に鑑みるとクラウド型Googleと、インストール型LibreOfficeの併用が最強ではないでしょうか。
元々は無駄な出費を控える為に、Microsoft Offic製品を使わずに過ごした1年だったのですが、互換性がある代替ソフトやアプリを試して使っている内に、今まであまり触る機会が無かったGoogleやLibreOfficeが大変素晴らしい事に気付きました。
正直どちらも、もっと早く触れていれば良かったと思う程です。何れも無料ですし、ご自分で色々とお試し下さい!
※本文は以上です。
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