スマホ端末などGPS機能が搭載されたカメラで写真を撮ると、設定によりExif(イグジフ)と呼ばれるメタデータが生成されます。
メタデータには、写真の撮影日時やGPS位置情報(ジオタグ)などを含む、様々な情報が記録されます。
目視できる画像と異なり、Exif(イグジフ)は画像から確認する事ができません!
SNSとスマートフォンの相性は抜群で、気軽に誰でも自分で撮影した写真を投稿できますが、場合によってはExif(イグジフ)が悪用され、あなたの自宅住所や学校・勤務場所などが丸裸になり、特定されるリスクがあります。
本記事ではExif(イグジフ)とは、既に撮影済みの写真からExif(イグジフ)を簡単に削除する方法、また位置情報の漏洩対策などを説明したいと思います。
Exif(イグジフ)とは
Exif(イグジフ)とは、”Exchangeable Image File Format”の略称で「エグジフ」とも言われています。
一言で言うと、デジタルカメラ用の画像メタデータの規格です。
目視できる画像と異なり、メタデータなので画像からは内容を確認する事ができません。
聞き慣れない言葉かもしれませんが、特別なソフトウェアやツール無しに、パソコンがあれば誰でも簡単にExif(イグジフ)を読み取る事が可能です(後述)。
開発経緯
Exif(イグジフ)は富士フイルムが提唱・開発し、1995年日本電子工業振興協会JEIDA(現電子情報技術産業協会JEITA)によって規格化されました。
1995年Version 1.0から始まり、現在JEITAの公式サイトで確認できる限りVersion 2.32が最新のようです。
Exif(イグジフ)では、記録する画像データの形式、画像データ先頭部に埋め込む付帯情報(タグ)を規定しています。
富士フイルムは、名前の通り元々アナログカメラの写真フイルムが主力事業でしたが、2000年以降デジタルカメラの急速な普及により、同業で1世紀超の歴史があった米イーストマン・コダックでさえ2012年に倒産(EASTMAN KODAK COMPANY AND ITS U.S. SUBSIDIARIES COMMENCE VOLUNTARY CHAPTER 11 BUSINESS REORGANIZATION)する中、ヘルスケアや複合機・プリンターなど事業転換を図る事に成功しています。
デジタルカメラだとSDカード等を差し替えますが、アナログカメラでは代わりに円柱形のフイルムを本体に巻きます。
昔、父親が持っていたアナログカメラのフイルム交換をさせてもらうのが、子どもの頃は楽しみでした。
あのスチャっとフイルムが装着される感や、カメラ本体のメカニカル感が男心をくすぐるんですよね。
フイルムをしまう白濁色のプラスチックケースは、無駄に集めていました。
スマホやデジカメなら撮った画像をその場で確認できますが、アナログカメラ時代はお店にフイルムの現像を依頼して数日後にならないと、どんな写真なのか見る事ができませんでした。
今みたいに、撮り直しなんてできない時代があったんです!
記録される情報(メタデータ)
Exif(イグジフ)に記録される、主なメタデータ一覧です。
繰り返しですが目視できる画像と異なり、Exif(イグジフ)は画像から内容を確認する事ができません。
- 撮影日時
- GPS位置情報(ジオタグ)
- 機種名(カメラやスマホの製造元・モデル)
- 画素数
- 露出時間
- 絞り値
- ISO速度
撮影日時とGPS位置情報(ジオタグ)の2つが、特にプライバシーに関わるかと思います。
GPS位置情報(ジオタグ)は、緯度・経度・高度が表示されます。
オンラインアルバム・地図上で、過去に撮影した写真を場所と紐づけて見返す事ができるので便利なのですが、その反面GPS位置情報(ジオタグ)が意図せず第三者に知られると、簡単に場所が特定されるリスクがあります。
確認方法
iPhoneの場合、アルバムで画像を選択しExif(イグジフ)情報が埋め込まれている場合、画面上部に撮影された地名が表示されます。
スマートフォンでは限られたメタデータしか閲覧できないので、Exif(イグジフ)の詳細情報はパソコンで見ると良いと思います。
Exif(イグジフ)情報が無い場合は、何も表示されません。
位置情報の漏洩リスク対応策3選
GPS位置情報(ジオタグ)を含むExif(イグジフ)ですが、不特定多数の目に晒されないようにする、現実的な対応策を3つ挙げます。
- 位置情報を記録しないで撮影する
- 撮影済み写真の位置情報を削除する
- 位置情報を削除してくれるプラットフォームを活用する
位置情報を記録しないで撮影する
冒頭で、スマホ端末などGPS機能が搭載されたカメラで写真を撮ると、Exif(イグジフ)と呼ばれるメタデータが生成されますと説明しました。
スマホで撮影した写真を、地図上で国・地域別にソートして表示してくれたりするので、後から見返す時便利ですよね。
今どきのスマホやタブレット端末、カメラなどGPS機能が無い製品の方が少ないかと思いますが、設定で位置情報をオフにしておく方法が有効です。
また意外と知られていないかもしれませんが、スクリーンショットして保存した画像には、Exif(イグジフ)情報が含まれません。
スクショを撮る際に、GPS機能が動作していないからです。
定期的にExif(イグジフ)情報を削除したり、削除したい画像がたくさんある場合は不向きですが、スクショは覚えておくと便利ですね。
撮影済み写真の位置情報を削除する
パソコンがあれば、特別なソフトウェアやツールを別途用意しなくても、簡単に撮影済み写真の位置情報含むExif(イグジフ)を一括で削除できます。
Macの場合、Exif(イグジフ)情報を含まないPNG形式にファイルを変更しています。
特別なソフトウェアやツールを別途用意しなくても、簡単に撮影済み写真の位置情報含むExif(イグジフ)を一括で削除できるのですが、場合によってはJPEGなどからPNGにファイル形式を変更する事で、サイズが大きくなってしまいます。
位置情報を削除してくれるプラットフォームを活用する
GPS位置情報(ジオタグ)を記録しないで写真撮影するように設定しておくと、セキュリティは高くなりますが、後から個人的に写真を見返したい時に不便です。
またスマホで撮った写真を、パソコンを用いてExif(イグジフ)情報を削除するのも手間がかかります。Macの場合、PNG形式にするとサイズが大きくなってしまったりもします。
これらの不満を解決する手段が、3番目の位置情報を削除してくれるプラットフォームを活用する方法です。
全てを網羅している訳ではありませんが、以下大手SNSなどでは、Exif(イグジフ)情報が含まれる写真が投稿されても自動で削除してくれる為、これらのプラットフォーム上で閲覧できる画像からExif(イグジフ)情報を読み取る事はできません。
- Facebook(フェイスブック)
- Imgur(イムガー)
- Instagram(インスタグラム)
- Line(ライン)
- Twitter(ツイッター)
- WhatsApp(ワッツアップ)
能動的に位置情報を追加するアクションを取らなければ大丈夫です。
因みに”Exif(イグジフ)”という単語を用いて、明示的にメタデータが削除される旨を説明しているのはImgur(イムガー)だけです。
Imgur > Safety & Standards > Privacy & Security > Post Privacy Settings
引用元リンク:https://help.imgur.com/hc/en-us/articles/201746817-Post-Privacy-Settings
Things to note:
EXIF data/metadata is removed from all images upon upload. There is no setting available to retain the data.
今の時代、プラットフォーム側でメタデータを削除した上で公開するのは当たり前なのかもしれませんが、Imgur(イムガー)の丁寧な説明は好感が持てます。
何れにせよ信頼するに値すると思えるプラットフォームを使うに越したことはありません。
意外な落とし穴に注意
常に位置情報を記録して撮影していたり、撮影済み写真の位置情報を削除しないで保存している人は、意外な落とし穴に注意が必要です。
SMSやメールなど
先ほど挙げた大手SNSに関しては、どこもExif(イグジフ)を読み込めないようプラットフォーム側で自動的に削除しています。
しかしプラットフォーム上でのやりとりから、一歩外に出ると注意が必要です。
Exif(イグジフ)情報を入手する為に、SMSやメールなどプラットフォーム外に誘導して写真の授受を誘導してくる人がいるかもしれません。
本当に信頼できる相手方かどうかは、注意が必要です。
オークション、個人売買
SNS同様に、大手オークションサイトであれば大丈夫かと思いますが、個人売買に近いアプリなどは利用規約などをしっかり確認した方が良さそうです。
ヤフオク!やメルカリの公式サイトでは、”Exif”でヘルプ内検索しても該当する箇所が見つかりませんでしたが、どちらも「右クリック」が禁止されていて、そもそも画像を保存できない設定になっていました。
もっとも取引が成立したら、買い手に発送者住所が分かってしまいます。
何れにせよプラットフォーム外のSMSやメールなどで、写真のやり取りを行わないよう気を付けて下さい。
ブログは対応がまちまち
WordPress(ワードプレス)を用いた個人ブログ・企業サイトでは、基本的に各人で対応する必要があります。
既にWordPress(ワードプレス)を扱っている方は、ご存じかと思いますが無料でExif(イグジフ)を削除してくれるソフトやプラグインがあるので、活用すると良いと思います。
ブログサービスを提供する大手Ameba(アメーバ)・note(ノート)は、Exif(イグジフ)情報を自動で削除しています。
Ameba
引用元リンク:https://helps.ameba.jp/faq/blog/others/post_1388.html
画像の向きを変更する方法
Amebaでは画像投稿時に位置情報等が含まれるExif(イグジフ)削除しており、同じく含まれる画像の向き情報も削除されることで向きが変わってしまう場合があります。
note
引用元リンク:https://help.note.com/hc/ja/articles/900000134923-%E7%94%BB%E5%83%8F%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6#h_42c2a6ef-d5b9-4476-aae5-4d0012edb1bb
Q:noteでは、EXIF情報は削除されますか?
A:noteで画像をアップロードいただく際には、位置情報などのEXIF情報は自動的に削除される仕組みとなっておりますのでご安心ください。
ライブドアブログはExif(イグジフ)情報を除去しないチェックボタンがあり、押し間違えに要注意です。
ライブドアブログ
画像最適化設定にある「Exif情報」について
「Exif」とは、その写真が撮影された時の情報を記録するフォーマットで、使用カメラ、レンズ、フラッシュの有無、焦点距離、シャッター速度、撮影場所(GPS付きカメラの場合)等、様々な情報が含まれています。この情報を画像とともにアップロードする場合は、「Exif情報」を除去しないを選択します。
引用元リンク:https://help.blogpark.jp/archives/52290874.html
はてなブログは、はてなフォトライフにExif(イグジフ)情報が保存されますが、はてなブログから写真を投稿したときのみ位置情報が削除されます。
はてなブログ
位置情報の削除について
はてなフォトライフでは、公開フォルダの写真を機種別に掲載するなど、写真のメタデータをもとにした機能を提供していることもあり、写真の画像情報(Exif情報)もそのまま保存しています。
スマートフォンなどの普及により、撮影した場所の位置情報がブログに掲載された写真に記録されているとプライバシー上の問題が懸念されるため、はてなブログから「写真を投稿」したときのみ、写真に位置情報が含まれていたら削除します。
引用元リンク:https://help.hatenablog.com/entry/hatena/fotolife
FC2ブログはチェックを入れないとExif(イグジフ)情報が削除されないのでご注意下さい。
FC2ブログ
引用元リンク:https://help.fc2.com/blog/manual/group99/2506?nc=1
記事に画像(写真)を載せる
④Exif
Exif情報を削除する場合は、チェックをいれてください。
Exif情報とは、カメラの情報や製造元や露出補正情報、GPSによる位置情報など、画像についての付加情報を記録した領域のことです。
最後に
スマホ端末などGPS機能が搭載されたカメラで写真を撮ると、設定によりExif(イグジフ)と呼ばれるメタデータが生成され、撮影日時やGPS位置情報(ジオタグ)などから、あなたの自宅住所や学校・勤務場所などが特定されるリスクがあるという記事でした。
わたしはブログを始めるまでExif(イグジフ)という言葉を知りませんでした。
スマホで撮った写真を、不特定多数の人と簡単に共有できる時代ですし、カメラや各種アプリの位置情報に係る設定がどうなっているのか知らない人は、確認して把握しておいた方が良さそうです。
また大手SNS・ブログサービスのプラットフォーム外で写真を共有する際は、Exif(イグジフ)情報が含まれていないか、今一度注意しましょう。
カメラ繋がりで富士フイルムのX100Vです、美しくて惚れ惚れします。
X100Vは、GPS測位機能を搭載していませんが、スマートフォンの位置情報をカメラが取得して、画像に付与する事が可能です。
海外ヨーロッパでは、日本製のデジタルカメラは非常に人気で、日本に一時帰国する際に買ってきてくれと良く頼まれます。
※本文は以上です。
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