もしあなたや、あなたのお子さんが将来英語を活かした職業に就きたい、海外で働きたい、というのであれば社会に出る前に、できる事なら英語などの外国語を「仕事で使える」くらいまで習得しておきたいものです。
お友達ではない、商売相手に対して、言葉が正確に通じないと話になりません。
もし、あなたが受けた質問に関して、的外れな回答を続けるようであれば、間違いなく相手に信用されなくなるでしょう。
現在、インターネットを通じて、世界中からどんな情報も即座に手に入りますし、語学学習ツールもかなり発展してきている事から、語学習得の為だけに海外に行く意味を見出すのが、以前に比べると難しくなってきているかもしれません。
この記事では語学習得以外に、敢えて今留学する意味を、筆者の実体験を元に説明したいと思います。
ホームステーを経験できる
あなたが未成年で高校生であれば、留学する場合、恐らくホームステーか寮生活になると思います。筆者の場合は、公立校だったのでホームステーでした。私立だと学校によって、ホームステーと寮生活の選択肢があったりします。
大学生や、成人している学生の場合、なかなか一年間等のホームステーをするのは難しくなると思います。
寮生活は、ホームステーとはまた別のメリットもあると思いますが、ホームステーをする事で、現地の実生活を肌で感じる事ができます。
例えば、筆者がお世話になったホストファミリーとは、日曜になれば教会にいき、夏休みにはキャンプしたり、ハロウィンではかぼちゃをくり抜いて自家製ジャック・オー・ランタンを作ったり、クリスマスにはデコレーションをしたり、季節ごとのイベントを一通り体験できます。
何かものすごく特別な事でもない、いたって普通の行事だったものの、高校生であった筆者の目には全て新鮮に映りました。
ホストファミリーとあなたの相性が合うかも、留学生活を乗り切る上で、重要なポイントではありますが、高校生という立場だからこそ、他人の家に踏み込ませてもらえる貴重な機会を得る事ができます。
留学生を送り込む側の親としても、成人の保護者がいる家庭であれば、安心感はありますね。
ある日、友達から日帰りのスキー・スノボーにみんなで行かないか誘われたので、ホストファミリーに相談したところ、却下されました。理由は、友達が車を運転し、保護者が誰もいなかったからです。
結局、筆者を除いたメンバーでスキー・スノボーに行って、その時は残念な気持ちだったのですが、今思い返し親の立場で考えると、ホストファミリーと全く同じ意見になります。保護者がいないのもそうだし、スキー・スノボーで疲労した後に、また運転って結構なハード・スケジュールというか、危ない要素が盛りだくさんです。
アメリカ人で、普段は個人の主張を最大限サポートする文化がありますが、保護者として時に適切な判断を下し、安全な留学生活を導いてくれるのも、ホームステーならではと思います。
タフになる
厳密には州によって異なりますが、義務教育の期間、そうでなくても大学での専攻とは違うので、公立高校であれば、それこそ様々なご家庭のこどもが通っています。
それが大学や大学院だと、同じ志をもった人が集まりやすい傾向にあると思います。もちろん、専攻した分野で切磋琢磨したければ、大学や大学院で留学するのも素晴らしい事だと思います。
そしてアメリカ公立校の場合、原則、日本でいう幼稚園から高校卒業まで、ずっと同じメンバーが同じ学校に通うんです。
既に、コミュニティが確立された中に、アジア人がポツンと入るので、相当なテンションで行かないと相手にされません。
加えて、英語でまともに意思疎通ができないとなると、もう何か秘儀が無い限り壊滅的です。ジャンル問わず何でも、キャラが立ってないと厳しいです。
結構、面白半分というか、物珍しさで、最初こそ話したりはしてくれるのですが、そこから親友と言える関係を築けるかは、語学面に限らず、とてつもない努力が必要です。
無口な人は、いない人と見なされます。何でも良いから発言して和に入らないと、誰とも仲良くなれません。ただでさえ、グループがもうできているので。
日本で居心地が良いと、わざわざそこから離れるのが億劫になってしまいますが、あえて変化を求めて飛び込んでみるのも良いですよ。真っ白な状態からのスタートで、人間力を試されます。
例えばランニングでも何でも良いのですが、同じ負荷をかけて練習していると、いつからか慣れてきて、体が楽になってきますよね。
同じことが言えると思うんです、負荷が足りない環境に身を置いていて、果たして成長することができるのか。
いろんな人が存在する、社会の縮図ともいえる現地公立校での経験は、きっと揉まれながらも語学面以外で、何か感じ得るものがある筈です。
海外から見た日本という国を、客観視できるようになる
自分の顔は、鏡を通さないと見えないですよね。
一度、住み慣れた土地や国を離れて、一歩でも二歩でも距離をおいてみると、今まで思っていた事、見えてきたものが、違った視点で捉えることができるようになると思います。
海外に出ないと、理解できない程度と思われるかもしれませんが、こればかりは海外に出る・出ないで雲泥の差があると思います。
例えば、自分の家では常識だったものが、友達の家では非常識だったみたいな事は、一度誰でも感じていると思います。
異国の地ほど、それが体感できる場所は無いと思います。
筆者は留学して現地についた時と、留学を終えて日本に戻ってきた時、それぞれカルチャーショックを受けました。まさか、日本でカルチャーショックを受けるとは思っていなかった。
また、あなたが日本人であるが故に、日本に関して様々な質問が飛んできます。
そんな時に、改めて自分がいかに日本や、日本の文化や歴史、自分が住んでいる土地に無知か思い知らされました。
これから海外に行くという人は、是非、語学だけでなくて、あなた自身の事を学んでおきましょう。
例えば、以下に関して、ざっくりとした意味や数値などを覚えて、英語で伝えられるようにしておくと良いと思います。
- 自分の名前の由来、漢字があればその意味
- どうして留学しようとしたのか
- 将来何をしたいのか
- どうやって留学先の国を選んだのか
- どうして今のタイミングで留学しようとしたのか
- 人口、面積(日本、都道府県、市区町村、通っている学校別にそれぞれ)
- 日本の祝日の意味
- 日本の伝統行事に関して
- なぜ日本人は、お辞儀するのか
- いただきます、ごちそうさまの意味
- あなたの宗教は何か
- なぜクリスマスに日本人はKFCに行くのか
などなど、時に瞬発力を求められる質問が飛んでくることがありますが、会話が続くような回答をする必要があります。
日本にいては、改めて考えないであろう事を、第三者の視点で考えるようになります。
絶望・挫折を否応なく経験できる
留学した事がある人なら、分かると思いますが、相当センスが良い人以外は、日本の義務教育や資格試験だけで英語を勉強したのでは、まぁ現地にいって相当大変な事になると思います。少なくとも、自分はそうでした。
高校といえども、分厚いレジュメがあり、自分でカリキュラムを立てますが、レジュメを読むのに、辞書片手に半月ほどかかりまして。単に筆者の語学力が無かっただけかもしれません。
ファストフード店でさえ、簡単な注文ができず。相手の言っている事が聞き取れない、自分の言っている事は発音が悪いせいで理解してもらえない。そう精神年齢と、会話年齢のレベルが乖離し過ぎて、不甲斐なさを感じていました。
案の定、学校が始まると爆死する訳ですね。とんでもないとこに来てしまったと。これから先一年間、果たしてサバイブできるのか。
絶望してからが本番です、どうせ絶望・挫折を経験するなら、学生のうち早い方が良くないですか?
多分、どんなに事前準備しても、高校留学をするのは大変だと思います。
万が一、完璧な準備をあなたができていたとすれば、もはや留学するメリットが無いので、同じお金と時間を使って、留学ではなくて次のステップに挑戦すべきです。
筆者の場合は、留学も終盤に差し掛かり、そろそろ帰国する位になって、ようやく留学準備が完了したかなって思えました。
この経験は、社会人になる前に済ませておいた方が絶対に良いです!
そして、もし海外で働く機会があれば、語学でなく肝心の仕事内容に注力できるので、スタートダッシュできます。
留学していた時の大変さを超える何かって、その後の社会人生活でそんなに無いと思いますよ!
帰国子女としてのプライド
実は、語学留学で学べる英語って、限られていると思うんです。 そもそもティーンエージャーが使う英語だし、特にアカデミックでない高校留学に関しては、大学や大学院のように専攻が無いですし。
体育の授業で、ウエイトトレーニングはありましたが。
なので高校留学では、何か将来仕事で使えるような専門知識を得るというよりは、異文化経験をしながら語学そのものや、コミュニケーションスキルの習得がメインになると思います。
何より筆者が帰国後に感じたのは、帰国子女として英語ができて当然と周囲から見られるのです。
確かに留学を経て「聞く」、「話す」力は爆発的に伸びたと思いますが、「読む」、「書く」に関しては、そこまでだったと思います。
むしろ受験とか試験英語に関しては、やはりそれ相応の勉強対策をしないと、結局のところだめです。
ただ帰国子女としてプライドがあるので、留学前以上に、帰国後英語を勉強するようになると思います。だって格好悪いですもんね、海外にいたのに。
この変なプライドのおかげで、帰国後、 「読む」、「書く」 力がつき、総合的に使える英語力に磨きがかかります。
まとめ
間違い無く筆者の人生を変えた高校留学についての話でした。人それぞれ感じる事が違うと思いますが、少なくとも以上の5つが、語学面以外で筆者が高校留学をおすすめする理由です。
あなたがどのような理由や目的で、留学を考えているかは分かりませんが、元留学生として、決して簡単な道ではないけど、高校留学して良かったと自信を持って言えます。
形はどうであれ、一年間留学してサバイブできれば、日本にいては味わえない達成感や自信を得る事になると思います。
筆者の場合、もし高校留学していなかったら、今の仕事もしていないだろうし、ヨーロッパに住むことにもなっていなかったと思います。
※本文は以上です。
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