海外旅行・引越問わず、サイクリストなら乗り慣れた愛着のある自転車を、海外でも踏みたいものです。
結論からお伝えすると、追加料金無く自転車を受託手荷物として航空会社に預け入れできたので、飛行機輪行(特に国際線)を検討している方の参考になれば幸いです。
本記事は筆者が日本から海外に引越しをするにあたり、自転車を飛行機に持ち込む方法を調べ、実際に飛行機輪行した際の記録です。
折り畳み自転車ではなく、ロードバイク・クロスバイク・ピストバイクなどを想定しています。
航空会社の規定上、自転車は受託手荷物でOK
本記事では、日本の航空会社2社を前提にみていきます。
ANA(全日本空輸株式会社)、JAL(日本航空株式会社)ともに、基本的に自転車の扱いは、通常の受託手荷物と同様です。
念のため、各社の国際線受託手荷物に関する規定です。
ANA
国際線トップ>ご旅行の準備>手荷物>自転車・スポーツ用品[国際線]
自転車・スポーツ用品のお預けについて以下スポーツ用品については、個数および重量がお客様の搭乗クラスの無料受託手荷物規定内であれば無料でお預かりします。
– 自転車
– サーフボード
– ゴルフバッグ
– 釣り道具
– ダイビング機材
– ラケット
– スキー、スノーボード
など無料手荷物許容量を超える場合、超過手荷物料金を適用します。
引用元リンク:https://www.ana.co.jp/ja/jp/international/prepare/baggage/checked-in/bicycle.html
ただし、サイズ(3辺の和)超過の取扱いのみ、通常手荷物と異なります。
JAL
Q 国際線で手荷物として自転車は運べますか。
A 分解式自転車(※)を保護用ケースやカバーなどで梱包されていることを条件に、受託手荷物として承ります。
(※自転車は一人乗りのツーリング用あるいは競輪用自転車でモーターがついていないことがお預かりの条件となります。)通常の手荷物同様、無料手荷物許容量に含めてのお預かりが可能ですが、無料手荷物許容量を超える場合は超過手荷物料金をいただきます。
引用元リンク:http://faq.jal.co.jp/app/answers/detail/a_id/4152/~/国際線で手荷物として自転車は運べますか。
無料受託手荷物の条件
ANA・JALのクラス及びステイタス別の、国際線に係る無料受託手荷物の基準です。
航空会社 | 1個あたり重量 | 3辺(縦×横×高さ)の和 |
---|---|---|
ANA | 23-32kg | 292cm以下* |
JAL | 23-32kg | 203cm以下** |
*ANAの場合、通常の無料受託手荷物は、3辺(縦×横×高さ)の和が158cm以下ですが、自転車の場合158cm超~292cm以下は、サイズ超過料金が適用されません(292cm超は預け入れ不可)。
**JALの場合、1辺が120cm超だと、預け入れできない場合があります。
1個あたり重量は、別途投稿記事の通りクラス及びステイタスにより異なりますが、ロードバイク・クロスバイク・ピストバイク等であれば、自転車本体は重くて10kg程度かと思います。
よって自転車を運ぶための輪行バッグ(保護用ケースやカバー)は、超過手荷物料金が発生しないよう、クラス及びステイタス次第ですが13-22kg程度に抑える必要があります。
自転車やパーツの保護材、またヘルメットやサイクリングシューズ等も梱包する場合は、合わせて考慮しておきましょう。
輪行バッグ(保護用ケースやカバー)の種類・定番
ほとんどの輪行バッグ(保護用ケースやカバー)は、13-22kgも重くないと思うので、値段・強度(耐久性)・サイズ(保管場所)等で選ぶことになるかと思います。
以下は輪行バッグの種類と特徴を表したものです。わたしは輪行袋とプラスチック、ダンボールしか使った事がないので、ハードケースは個人的な印象に過ぎません。
記号は筆者自身の経験により、相対的な指標として付したもので、あくまでもご参考程度に見ていただけたらと思います。
種類 | 値段 | 強度 | サイズ |
---|---|---|---|
ハードケース | × | ◎ | × |
輪行袋 | 〇 | △ | ◎ |
プラスチック | 〇 | 〇 | 〇 |
ダンボール | ◎ | △ | ◎ |
ハードケースは、競技などで高価な機材を使用している人向けなので、自転車が壊れる心配はほぼありませんが、かなりの値段です。
1980年イタリア創業のシーコン(Scicon)のハードケースやバッグは、プロチームも御用達で、中でも輪行バッグの最高峰と呼ばれていたりするエアロ・コンフォートは、比較的手の届きやすい価格帯と言えます。
輪行袋は布生地や強ナイロン製です。恐らく輪行バッグとしては一番種類が豊富で、値段や質もピンキリかと思います。
オーストリッチ(OSTRICH)は、1963年創業の日本が誇るブランドです。国際線・国内線問わず、飛行機輪行ならOSシリーズ(自転車の種類によりOS-500、OS-800、OS-1000)位の頑丈さが無いと心配です。
製品次第ではありますが、やはり自転車が壊れないか心配なので、日本にいた時は、基本的に飛行機では無くて、常に自分の手から離れる事が無い電車で移動する際に、オーストリッチのOSシリーズより軽量の輪行袋を使用していました。
因みにイギリスやドイツなど、だいたいのヨーロッパ諸国では多くの公共交通機関で、輪行袋を使用せずに自転車をそのまま持込めてしまいます。
プラスチックは、強度がハードケース未満、輪行袋以上という点がメリットかと思います。やはりハードみたいな頑丈さはありませんが、自転車をプラスチックの箱に入れるので、輪行袋より外部からの圧力を受けにくい構造と言えます。
箱なので突起物が無く、自立するのも良いですね。
ダンボールは、購入したフレームが入っていた箱を転用したり、自転車梱包用のダンボールを使います。
使用回数に限度があるにせよ、強化ダンボールであれば、それなりに丈夫だと思います。
実際に試したプラスチック×強化ダンボール
値段・強度(耐久性)・サイズ(保管場所)等で色々と比較した結果、国際線の飛行機輪行として、プラスチックの輪行バッグを選びました。
自転車のフレームやパーツが動かないよう、また衝撃吸収材として強化ダンボールで箱の中を補強しました。
実際に使ってみて、想像以上に良かったのは以下の2点です。
- 輪行バッグ本体が自立する
- キャスターがあると持ち運びが楽
空港内は手荷物カートが使えるので全く問題ありませんが、スーツケースで片手がふさがる中、輪行バッグが自立したり、キャスターが付いていると、持ち運びが断然楽になります。
いくら自転車本体が10kg未満で軽くても、それを輪行バッグに入れて肩から背負うとなると、想像以上に負担となります。
元々、日本にいた時に、電車で輪行袋を使った事があったので、キャスター無しで輪行バッグを運ぶ大変さは身を以て経験していました。
空港から輪行バッグを発送しても良いのですが、如何せん自分の目が届かないところで壊されないか気になるので、携行する機会が多い場合、持ち運びのしやすさも、輪行バッグ選びの基準として重要かと思います。
FRAGILE、取扱注意、天地無用など航空会社によっては、好意で輪行バッグに貼り付けて取扱ってくれる事があるかと思います。
最後に
実際に国際線で受託手荷物として預け入れし、日本で乗り慣れていた自転車を海外に運んだ時の記録でした。
前述の通り無料受託手荷物の各航空会社基準を満たせば、追加料金無く飛行機輪行が可能なので、サイクリストの方は是非お試し下さい!
愛着のある自転車で、海外の地を踏むのは格別です。
使っていないホイールからハブシャフトを取り出して自作しても全く問題ありませんが、フレームは横からの圧に弱いので、輪行時はエンド金具が必須です。
※本文は以上です。
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