以前、 イギリスの格安航空easyJet(イージージェット)を使った時に、フライト遅延に遭遇しました。
朝一にAppで、今日のフライトは遅延予定ですって通知が来てテンションだだ下がり。でも、どの位の遅延かは分からないし、チェックインだけは済ませておかないといけないので、予定通り空港に行きましたよ。
この記事では、実際に筆者がフライト遅延に遭遇して、EU261規則通り、航空会社に補償金を自分でクレームした話を書きたいと思います。
EU261規則とは何なのか、詳しくは別にまとめた記事をご覧下さい。
補償金の手続き
Day 1
旅行から戻ってきて数日後、航空会社公式サイトからクレーム申請をしました。
現時点で、easyJetならこちらのリンクから入れます。恐らくメジャーな航空会社なら、似たような「Compensation Claim Form」たるものが、公式サイトのどこかにあるかと思います。
予約番号、フライト番号、搭乗日、クレーム事由(遅延、キャンセルなど)、氏名、パスポート番号などを一通り入力します。現物のチケット半券の提出とかは要求されませんでした。
当時筆者がクレーム申請をした時は、特に自身で補償金を指定する項目はありませんでしたが、航空会社によっては入力項目があったりするようです。ここで本来より少ない金額を申請しても、航空会社側は修正してくれないという噂もあるようです。
当日の機長やキャビンクルー、受付の対応や説明がどうだったかとか、バウチャーがしっかりと配られたかなど、簡単な任意のアンケートもありました。
ちょっと手間でしたが、ちゃんとアンケートには応えました。スキップしても良いと思いますが、お客さんのフィードバックを取ろうとしている姿勢には好感が持てますね。
Day 11
2-3週間くらい気長に待って、航空会社から何も返信が無かったら、問合せしようとしていましたが、11日後に返信がありました。
航空会社から返信メールには、申請通り遅延したフライトは、EU261規則通り、補償対象になるとありました。
よくクレーム申請をしたけど、EU261規則上の特異な事態であり、補償対象ではないとして却下された話を聞いていたので、拍子抜けしてしまいました。
単に運が良かったのか、いや3時間以上の遅延は運悪すぎとか、複雑な気持ちに変わりありませんが、ひとまず安心。
航空会社からの返信メールを読み進めると、補償金支払いの為、銀行口座情報を改めて聞かれていました。
Day 11
銀行口座情報は、航空券を買ったのと同じだし、絶対に航空会社は知ってる筈なんだけど、ここで難癖つけて手続きが止まる方が無駄なので、黙って回答します。即日、銀行口座情報を航空会社にメール回答。
Day 21
とんとん拍子で手続きが進むかとおもいきや、10日間程期間をあけて、航空会社より実額で●ポンド支払う旨連絡が来ました。
最大で着金するまで、14日程度かかる可能性を航空会社は示唆していました。
Day 31
そして、さらに10日間程待ったところで、実際に航空会社からの補償金振込を確認‼
クレーム申請から、補償金が支払われるまでかかった日数
という事で、筆者の場合クレーム申請してから実際に補償金が振り込まれるまでは、約一か月でした。
幸いにも、この一件しか3時間を超える遅延に遭遇した事がなく、今のところ最初で最後のクレーム申請だったので、約一か月が早いのか遅いのかは分かりませんが、まぁ補償金を得たのでよしとします。
当時はイギリスに住んでいたのでポンド建てでしたが、ユーロ相当で計算すると、確かにEU261規則通りの金額でしたよ。
注意点
補償金の受取り口座情報
航空会社によって異なり、またeasyJetが今も同じかわかりませんが、補償金の受取り口座情報を、わざわざ航空会社に通知する必要があったのは面倒でした。
恐らくクレーム申請をして、あなたのケースは支払事由に該当します、という回答だけ読んで、安心して忘れてしまう人がいるのでしょう。
航空会社としては、できるだけ補償金は支払いたくないですからね。
「補償金」は現金で
あと筆者は言われませんでしたが、航空会社によっては現金での補償金支払いに代わって、マイル等で支払いを済ませようとオファーする話も聞きます。
EU261規則で、しっかりと現金で受取る権利が書かれてますので、EU261規則外で個別に航空会社との合意には応じない方が良さそうです。
クレーム申請は自分で
条件を満たせば、ほぼ100%補償金を得られるとあって、航空会社にクレームを申請する代行業者がいっぱいいます。
個人で航空会社にクレームを申請しても相手にされず、放置されるとか、時間がやたらかかるとか、不安心を煽って、業者に任せるように宣伝していますが、無視でOKです。
原則、航空会社にクレーム申請フォームがありますし、全然個人で対応できます。あなたがEU261規則第●条●項によって、かくかくしかじか申請をするとか、文面を作らなくて良いですし、EU261規則の知識が無くても大丈夫です。
成功報酬が、補償金の20-30%とかなり高いのと、クレーム代行業者に伝える内容は、結局のところ航空会社に伝える内容と全く同じです。
クレーム代行業者に関しては、成功しなければ手数料ゼロというところもあるので、最初個人でクレームを航空会社に申請し、却下されたけど納得できない場合、活用してみるというのは手かもしれません。
またクレーム申請の却下に納得がいかない場合国の機関や、欧州在住者であればADR(Alternative Dispute Resolution Entity)やODR(Online Dispute Resolution)など第三者機関に相談する手段もあります。
まとめ
筆者のケースでは、なんと支払ったフライト代金以上の補償金が支払われました。
あくまでもEU261規則に沿った対応なのですが当然ですが、このEU261規則は、飛行距離と遅延時間で補償金が算出されます。なので、支払ったフライト代金が、補償金の上限にならないのです。
ヨーロッパ内の旅行であれば、100ユーロ未満のチケットがたくさんありますが、補償金については航空会社へのペナルティという事なのか、搭乗者保護という事か、とにかく手厚い補償で、嬉しい驚きでした。
一方で、EU261規則ではクレーム申請期限が定められていないので、各国の法令で実質期限があります。
過去を遡って航空会社が補償金を請求されるリスクは、収益の圧迫要因になるので、業界全体の立場からみると、悩みの種みたいです。
easyJetのクレーム申請に関する対応には、特段不満はありませんでした。補償金が貰えたのとは別で、淡々と手続きが行われ、放置されるとか理不尽な対応をされたとかが一切なかったからです。
もしあなたがフライトの遅延やキャンセルに遭遇したら、是非クレーム申請にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。金銭的に補償されるだけで、事後的に気分が大分回復しますよ。
最後に、EU261規則とは何なのか、まとめた記事をもう一度貼り付けておきます。
※本文は以上です。
もし記事を気に入っていただけたら、是非、SNS等でシェアいただけたらと思います!