あなたは知らない番号からの電話に、出る派・出ない派どちらですか?
ホットライン(Hotline)は日本語でも使われていますが、コールドコール(Cold call)という英語を聞いた事がありますでしょうか。
本記事ではイギリスに住んでいた時に、実際コールドコールを受けた経験のある筆者が、その意味やオプトアウト(簡単に言うと、拒否)の仕方、ポイント等について説明したいと思います。
コールドコール(Cold call)とは
コールドコール(Cold call)とは「勧誘電話(訪問)」です。
テレマーケティングの一種で、特にあなたと何も接点が無い相手方からのコンタクトを指す場合が多いと言えます。
salesforce社の記事によると、以下の通りコールドコールの”Cold”を説明しています。
a cold call is cold – not merely the initial call in a chain, but one that comes entirely out of the blue.”とあります。
引用元リンク:https://www.salesforce.com/uk/learning-centre/sales/cold-calling/
つまりスマホの電話帳などに登録がなされていないばかりか、今まで受けたことがないサービス、購入した事が無い商品に係る勧誘電話で、全く見覚えの無い番号からの着信という事になります。
居住国以外からだと、尚更ビビるやつです。
Oxford English Dictionary(OED)によると、”Cold call”は目的語を伴う動詞、また名詞として使われます。
イディオム的に2語並べたり、ハイフンで繋げて1語で表現したりします。
cold-call (also cold call)
VERB
Make an unsolicited visit or phone call to (someone), in an attempt to sell goods or services.NOUN
引用元リンク:https://www.lexico.com/definition/cold-call
An unsolicited visit or phone call made by someone trying to sell goods or services.
イギリスでオプトアウトするには
コールドコール自体は、イギリスにおいて違法ではありません。
しかしPrivacy and Electronic (EC Directive) Regulations 2003により、コールドコールからオプトアウト(簡単に言うと、拒否)が可能です。
オプトアウトする場合、Telephone Preference Service(TPS)のWebサイトから必要事項を入力します。
わたしは結局、あまり意味が無さそうなのでオプトアウトしませんでしたが、TPSへの登録は無料で、TPS側からあなたにコンタクトする事はありません。
EXPLANATORY MEMORANDUM TO THE PRIVACY AND ELECTRONIC COMMUNICATIONS (EC DIRECTIVE) (AMENDMENT) (No. 2) REGULATIONS 2016
7. Policy background
引用元リンク:https://www.legislation.gov.uk/uksi/2016/1177/pdfs/uksiem_20161177_en.pdf
OFCOM has contracted with the Telephone Preference Service Limited (“TPSL”) to carry out its functions relating to the keeping of a register of subscribers who have opted out of receiving unsolicited direct marketing calls or faxes. TPSL offers free services that allow subscribers to register their landline and/or mobile telephone number or their fax number respectively if they no longer wish to receive unsolicited direct marketing communications. The registers which the TPSL provides are the Telephone Preference Service (“TPS”), Corporate Telephone Preference Service (“CTPS”) and Fax Preference Service (“FPS”).
コールドコールをかけるイギリス国内企業は、TPSやCTPS或いはFPSに登録された番号を少なくとも28日ごとに確認する必要があります。
法律を遵守している企業であれば、オプトアウトした消費者に対してコールドコールしてくる事はありません。
しかしTPSによると、Privacy and Electronic (EC Directive) Regulations 2003を以てオプトアウトしても、以下のような電話は防ぎようがない旨説明されています。
- 録音された自動音声メッセージ
- 市場調査
- イギリス国外の企業
- 債権回収
- 電話詐欺
- 迷惑電話など
録音された自動音声メッセージは厳密には、消費者側がオプトインした場合のみ有効な方法ですが、何回か全く身に覚えの無い電話がかかってきた事があります。
電話詐欺・迷惑電話など悪意あるユーザーからしてみれば、TPSはターゲット先の情報源となりかねないので、登録するかどうかは慎重に検討した方が良さそうです。
なおTPSは消費者からの苦情を受け付けていないので、何かしら(苦情など)申立をしたい場合、Information Commissioner’s Office(ICO)にコンタクトをとる必要があります。
https://ico.org.uk/make-a-complaint/nuisance-calls-and-messages/
最後に
EコマースやSNS全盛の今日において、果たしてコールドコールが効果的な営業手法なのかは疑問ですが、イギリスでは合法なコールドコール、またオプトアウトの仕方やポイント等に関する記事でした。
コールドコールや迷惑電話を減らすサービスを有料で提供する業者がイギリス国内に存在しているようですが、TPSやOfcomとは一切無関係です。
The TPS and Ofcom are not affiliated with any commercial organisations that offer services to reduce nuisance calls.
引用元リンク:https://www.ofcom.org.uk/phones-telecoms-and-internet/advice-for-consumers/problems/tackling-nuisance-calls-and-messages/live-marketing-calls
特にあなたと何も接点が無い相手方からのコンタクトを指すコールドコール(勧誘電話)ですが、商品の購入元だったりサービスの提供元に対して、会員登録時などあなたがオプトインしていると、当該企業はコールドコールの定義に当てはまりませんのでご注意下さい!
日本でもコールドコール自体は違法行為に該当しませんが、「コールド・コーリング」(「電話による詐欺的な投資勧誘」)として、金融庁が日本語と英語で注意喚起しています。
※本文は以上です。
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