イギリス英語、Canをカンと発音するのはなぜか

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日本の学校で習う英語って、ほとんどがアメリカ英語ですよね。

本家というか歴史的にはイギリスの方が古くて、英語発祥の国と言われていますが、やはり敗戦国である日本はGHQの影響でしょうか、義務教育ではアメリカ英語が中心に、授業で取り扱われてきたかと思います。

学生時代にどっぷりアメリカン・カルチャーに浸かっていたわたしは、高校生の時に、アメリカ留学した事もあって、完全にアメリカ英語に慣れ親しんでいました。

社会人になり、イギリスで働き始めた時、あまりにアメリカ英語と違い、慣れるのに結構時間がかかったのを覚えています。

紳士淑女の国イギリスでは、皆さん言葉遣いがいちいち丁寧で、逆に表現が回りくどかったりさえします。

余談ですが、イギリスに住んでから、改めて007とかミスター・ビーンを見ると、イギリス人らしさがデフォルメされていて、結構ツボだったりします。

この記事では、ゆるーくなぜイギリス英語はCanを「カン」と発音するのか、非論理的に記したいと思います。

おそらくドイツ語の影響

間違っていたらごめんなさい、なぜイギリス英語はCanを「カン」と発音するのかは、おそらくドイツ語の影響だと思います。



以下で順を追って説明したいと思います。

イギリス英語の発音Can

ご存じの方も多いと思いますが、イギリス英語でCanは「カン」と発音します。
アメリカ英語のように「キャン」では無いです。

同様に、Can’tもイギリス英語では「カント」、「キャント」ではありません。

イギリス英語アメリカ英語
Cankɑ́ːnkǽn
Can’tkɑ́ːntkǽnt

なぜイギリス英語の発音Canが「カン」なのか、ではなく時系列的に考えると、なぜアメリカ英語が「キャン」なのか、と質問をしなおした方が良さそうです。



なぜなら、わたしを含めて多くの日本人が、義務教育で学んだアメリカ英語を軸に考えがちですが、アメリカの方が、イギリスより歴史が浅いからです。

超ざっくりなイギリスの歴史

ここで一旦、超ざっくりなイギリスの歴史をおさらいしておきたいと思います。

イギリスといっても、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの四つの連合国で構成されている、連邦制国家ですね。

イギリスの歴史は、ゲルマン系アングロ=サクソン人が侵攻した事で始まったとも言われ、1066年のノルマン制服で、ノルマン人が話していた中世フランス語が、イングランドの公用語となり、英語とドイツ語の違いが明確になっていったようです。


ゲルマン人は、ドイツ人といった特定の民族を指すものではなく、現在でいうヨーロッパ北部(含むドイツ)、スカンジナビア半島南部にかけて住んでいた人です。

言語学的に、英語とドイツ語は同じゲルマン語派西ゲルマン語郡に属し、元々は同じ言語だったとされています。


その他のゲルマン語としては、オランダ語、デンマーク語、スウェーデン語などがあります。

超ざっくりなアメリカの歴史

原住民であるインディアンと、白人が争いを繰り返しながら、イギリス、フランス、スペインが、アメリカに領土を獲得。

イギリスが覇権争いで勝利をするも、植民地政策が失敗し、13植民地が独立してアメリカ合衆国が誕生しました。

イベント
1498年ニューイングランド植民地
1620年ピューリタンが移住
1776年アメリカ独立宣言

アメリカに高校留学して驚いたのが、各家庭でもれなく星条旗を掲げていた事です。


日本で国旗を掲げていたら、ちょっと右寄りな人かと思われてしまいそうですが、アメリカではむしろ一般的です。



日本みたいに島国で、生まれながらにして、当然のように祖国というものが無く、自分たちは独立を勝ち取ったんだという自負で、常に星条旗を掲げたり「U.S.A.」と表明し続けるマインドが、アメリカ人には刻み込まれているんだと思います。

イギリス英語とドイツ語の共通点

ゲルマン系アングロ=サクソン人が話していた言語が、今日のイギリス英語の元となる言語で、系統が近い言語として、その一つに高地ドイツ語がありました。

また上述の通り、言語学的に、英語とドイツ語は同じゲルマン語派西ゲルマン語郡に属し、元々は同じ言語だったとされています。

なお文法の難易度は、ドイツ語の方が英語のそれより異常に高いのですが、類似する単語も多く、英語話者であれば、ドイツ語はとっつきやすい言語だとは思います。

アメリカ英語に比べると、イギリス英語やドイツ語の発音は、カタカナ英語に近いものがありますね。

イギリス英語の発音の特徴として、「T」をしっかり発音する、「R」の発音が弱い、などドイツ語の発音に通ずる点も挙げられます。



因みに、イギリスのパブ文化と言えばラガー、実はこのラガー(Lager)はドイツ語から来ています。

でも、ほとんどは生ぬるいエール(Ale)ばかりだと思いますが。

ラガーとエールは醸造方法の違いですね、日本で飲むビールはラガーに分類されます。


ラガーはドイツ発祥の醸造方法で、貯蔵という意味です。エールは、もうお分かりのように、イギリス発祥の醸造方法です。



エールが生ぬるいのは、味を楽しむためです。ラガーのように低い温度(冷たくごまかさないと)にしないと、美味く飲めないのは、そもそも味が良くないと考えるイギリス人もいるようです。

どの口が言っているんだと、突っ込みたくなりますが。

あとは世界中で使われているハンバーガー(Hamburger)もドイツ語です。

ドイツ語でCanはKann

英語のCanですが、ドイツ語でも同じ意味の動詞könnenがあります。

主語により活用形がありますが、私=I=Ichの場合、kannとなり、発音は「カン」です。

カタカナ読みの通り「カン」で、英語のCanも、ドイツ語のkannもほぼ同じです。

イギリス英語がドイツ語から派生していったとなると、Kannの発音が「カン」だったから、英語が中世フランス語の影響を受けてスペルが発達を遂げる中でも、発音は「カン」のままだったと言えなくもなさそうです。

わたしは言語学の専門家では無いド素人なので、何ら根拠がある訳ではありません。


実はアメリカ英語が、元々のイギリス英語だった説

言語学的にイギリス英語とドイツ語は近い、という事がお分かりいただけたかと思います。

そして時系列的には、アメリカ英語はイギリス英語から派生したと言われていますが、実は昔イギリス人が話していた発音こそが、今のアメリカ英語だったという説もあるようです。

この説の場合、いつイギリス人が、「カン」から「キャン」というようになり、また「カン」に戻ったのか、という事になります。

日本語も、時代とともに言葉が変わるように、当然英語も独自の発展を遂げていると思いますが、壮大なロマンですね。

最後に

ドイツ語を勉強しはじめるまで、そこまで気にもしなかった「カン」と「キャン」の違いですが、ちょっとした事に気づくのも(間違っている可能性もありますが)第二外国語をやる副次的メリットかと思います。


イギリス英語とアメリカ英語についてでしたが、イギリス英語と言ってもクィーンズ英語(上流階級)、コックニー英語(労働者階級)、ウェールズ英語、スコットランド英語、アイルランド英語などあり、それはまた大変奥深いです。



いろいろと話が逸れましたが、話半分で聞いていただけたら幸いです。



※本文は以上です。
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コメント

  1. 元英文科 より:

    はじめして。言葉は古今東西関わらず、生きているものなので、日本語ももちろん、英語も場所と時代が変われば言葉も変わっていきます。

    地方によって発音も様々で、例えばイギリス英語=Canはカンと発音する、言い切ってしまうのは早計な気もします。キャンのように聞こえる発音をする地域や人も結構います。

    さて、欧州では印欧祖語から、色々な言葉が発展していきました。独語や英語はそのうちの一つですが、一気に英語からドイツ語が細胞分裂のように分かれたわけではもちろんなく、お互いに異なる変化をしていき、我々が日常的にドイツ語と呼んでいるものは「ハイジャーマン」つまり高地ドイツ語です。
    更に、ハイジャーマンと英語の中間にある言語である、プラットドイッチュ(低地ドイツ語)の存在も忘れてはいけません。主に北部で話されていた(る?)言語で、今のドイツにPlat Deutschを話せる人はかなり少なくなっています。

    1066年のNorman conquest(ノルマン人の征服)で、当時のフランス語が大量にイングランドに入ってきたことで、今の英語はかなりフランス語よりになっていますが、古代英語の頃はWhan(When)やFæder(Father)など、もっとドイツ語っぽい英語が多かったと、大学で習った気がします。性別(男性・女性・中性)や位置により助詞が変わるなど、ドイツ語と似た文法当時はありましたが、簡素化され現在はご存知のように(幸い?)なくなっています。

    ピルグリム・ブラザーズたちがイングランドからメイフラワー号でアメリカへ渡って、植民地時代が始まりましたが、その後いろんな国の人たちが集まってきたので、そういうこともあって島国のイギリスとは違う、アメリカ英語が急激に発展したのかもしれませんね。
    アメリカ人の愛国主義も、「独立を勝ち取った!」という誇りの他、現実問題として、様々な倫理観や文化拝見の人間たちが、同じ国民としてアメリカという国を築いていくには、団結力が不可欠。そのため政府が、そういう風に国民をマインドコントロール(というと語弊がありますが)したのかな、と思ったりします(笑)。

    • ifura ifura より:

      元英文科さま

      コメントどうもありがとうございます!大変参考になります、本当に言葉は生きものですね。

      そして2020年1月からスタートした当ブログですが、記念すべき初コメントでした。
      また気軽にコメントしていただけたらと思います!

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